菅生沼のアキノウナギツカミ

2025年10月5日のことだが,久しぶりに菅生沼(茨城県常総市菅生町)を訪問した。

散策中,ふれあい橋の周辺でアキノウナギツカミ(Persicaria maackiana)の花を観ることができた。

アキノウナギツカミは,自宅近くの里山などでも見ることのできる植物なのだが,年々,その自生地が消滅しつつあるように見える。


Persicaria maackiana


Persicaria maackiana


Persicaria maackiana


Persicaria maackiana


Persicaria maackiana


Persicaria maackiana


あくまでも一般論だが,生態系の重要性を知らないで人間にとって都合のよいような搾取だけ続けていると,いずれ大飢餓の時代が到来し何万人もの人々が餓死するというようなことが起きる。

費用対効果や効率性だけを重視することなく,冗長性の重要性を十分に認識することが必要なのだが,世の中で支配的な価値観はどうもそのようにはなっていないので,人類大絶滅の時代の到来は不可避なのかもしれないと思う。

ちなみに,最近,JRの駅の構内などで林業関連のポスターを見たのだが,そのポスターは,樹木が二酸化炭素を吸収して酸素を放出するだけだという理解を前提とするもののように読める。
しかし,樹木などの植物が動物と同じように呼吸活動を行い,酸素を吸収して二酸化炭素を放出していることは,生物学を学んだ者であれば誰でも知っている常識に属する。
それゆえ,そのようなポスターを商業宣伝広告のために使用している企業は,自然科学上の知識に欠けていると大声で自己主張していることになるか,または,自然科学上の知識の一部を歪めて商業宣伝広告するという不公正な経済活動を行っているということになるだろう。
ただし,当該企業の広報担当者に実質的な責任のあることであり,経営陣は全く知らないことかもしれない。とはいえ,もしそうであるとすれば,その経営陣には基本的な経営能力が欠けているということともなり得る。

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湿地からは二酸化炭素だけではなくメタンや硫化水素などの気体成分も大量に生産・放出され続けており,大気中におけるそれらの要素全部の収支を正しく理解しなければ,この種の議論を合理的に理解することなど不可能なことだ。

また,酸素だけを重視することは間違っている。
もし地球上の大気中の酸素濃度が大幅に増加するとすれば,(あくまでも机上の議論としては)大半の動植物が自然発火によって燃焼し,炭化してしまうということがあり得る。

なにごとにつけ,「そこそこが大事だ」ということを自然環境が教えているとも言い得る。



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