鴨川市平塚:大山寺

過日,真言宗智山派・高蔵山大山寺(千葉県鴨川市平塚)を参拝した。本尊は,不動明王。

大山寺に関しては,鴨川市史編さん委員会編『鴨川市史読本編 鴨川のあゆみ』(平成10年)の71~73頁に詳細な解説がある。
同書の説明によれば,大山寺は,良弁僧正が神亀元年(724年)に開山したと伝えられる古い寺院。境内地となっている高蔵山の山頂にある高蔵神社の別当寺(別当は安田家)であり,大山寺の境内地とその周辺一帯(現在の鴨川市平塚付近)は,室町時代頃には柴原子郷と呼ばれていたようだ。

大山寺の堂宇は,源頼朝や足利氏などから保護を受け,とても立派なものだったらしいのだが,里見氏一族の天正の内乱の際に焼失し,天正14年(1586年)に再建された。

大山寺の本堂(不動堂)前からは相当遠くまで見渡すことができる。古来,統治上・軍事上において非常に重要な場所だったと推測される。

大山寺の本堂(不動堂)は,享和2年(1802年)に建立(再築)された建物であり,千葉県の有形文化財に指定されている。俱利伽羅竜(武志伊八郎信由関連作品)は,千葉県指定の有形文化財となっている。

木造不動明王坐像及び両脇侍立像も千葉県指定の有形文化財として指定されている。『鴨川市史読本編 鴨川のあゆみ』の73頁では,その製作年代を鎌倉時代としている。

大山寺鐘楼,大山寺棟札,石造宝篋印塔は,鴨川市の有形文化財に指定されている。

なお,大山寺に到着したときにはだいぶ遅い時刻となっていた。手持ち時間と体力が限界に来ていたため,高蔵神社に関しては,石段下にある鳥居の前で一礼するだけとし,石段を登って参拝しなかった。


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仁王門と石段


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仁王門


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仁王門脇の浄水と観音像など


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駐車場と参道


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本堂(不動堂)正面


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斜め前から見た本堂(不動堂)


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本堂(不動堂)側面


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不動明王像の説明板


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大山寺の沿革と文化財に関する説明板


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大山寺と文化財に関する説明板


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本堂前から見える景色


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鐘楼


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梵鐘


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境内にある手水


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御堂


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石塔


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高蔵神社の石段と鳥居


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高蔵神社の説明板



 千葉県教育委員会:大山寺不動堂

 千葉県教育委員会:木造不動明王坐像及び両脇侍立像

 千葉県教育委員会:大山寺 俱利伽羅竜(武志伊八郎信由関連作品)

 かもがわ大山寺保存会



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