つくば市:洞峰公園のキンラン

昨日(2025年5月9日),洞峰公園(茨城県つくば市二の宮)を訪問した。

以前は,洞峰公園内の各所で結構多数のキンラン(Cephalanthera falcata)の花が見られたものだが,来園者の踏みつけや採取等のせいかどうか,保護された場所以外では見つけられないような状態になっていた。

保護された場所では,ごく少数のキンランが開花していた。

これらの保護されたキンランがいつまで存在しているかに関しては,予想できない。

一般に,キンランは,ブナ科の樹木の根に寄生しているイボタケ科及びベニタケ科の菌類(キノコ)の地中の菌糸に寄生して生きている植物。
洞峰公園内にはシラカシ(Quercus myrsinifolia)のようなブナ科の樹木が植栽されているけれども,保全されなければならないのは樹木の本体だけではなくその周辺の地中の生態系なので,そのような地中の生態系を保全するため,かなり広い範囲で人が踏みつけたりしないような保護策が必要となる。

しかし,洞峰公園の来訪者は結構多く,ランニングしている人の姿が途絶えることはないので,踏み固められ,土壌が乾燥するような状態が続けば,いずれ地中の菌類が衰退し,キンランも寄生相手(ブナ科の樹木の根に寄生している菌類)を失って次第に消滅するということになるのではないかと想像される。


protected area
保護された区画


Cephalanthera falcata
キンラン(Cephalanthera falcata


Cephalanthera falcata
同上



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