埼玉県比企郡吉見町御所:安楽寺

過日,真言宗智山派・岩殿山光明院安楽寺(埼玉県比企郡吉見町御所)を参拝した。本尊は,聖観世音菩薩。
坂東三十三観音第十一番札所・関東八十八箇所第七十五番札所・東国花の寺百ヶ寺埼玉第五番札所となっている。

行基により聖観音像が岩窟に奉納されたのが始まりで,坂上田村麻呂開基により造営された寺院と伝えられる非常に古い寺院。

源範頼が吉見の地を支配していた当時,堂宇が再建されたけれども,戦国時代に焼失し,寛文元年(1663年)に再建された。

安楽寺の境内にある現在の堂宇は,仁王門,本堂,三重塔などを含め,いずれもとても立派なものだった。

三重塔は埼玉県の文化財に指定されている。仁王門と仁王像は,吉見町の文化財に指定されている。

ちなみに,安楽寺の参道で売られている団子は「厄除け団子」として知られている。安楽寺の参拝後に参道の団子店で2串買って食べた。美味しかった。


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参道


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参道脇にある青面金剛明王


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参道脇にある青面金剛明王


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石段と仁王門


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説明板


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仁王門


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仁王門解体修理記念碑


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境内地の様子


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本堂


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本堂正面の装飾


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天岩戸


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天之岩戸石垣補修記念碑


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三重塔


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同上


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三重塔の説明板


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薬師堂


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太子堂


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御堂


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弁才天


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御堂?


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鐘楼・八起地蔵尊に登る石段


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鐘楼


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梵鐘


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八起地蔵尊


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八起地蔵尊縁起


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古い供養塔


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六十六部供養塔など


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阿弥陀如来


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延命地蔵尊


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地蔵堂


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六地蔵


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石塔


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納経所の門


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手水


安楽寺の御詠歌にある「天岩戸」は本堂の裏にあり,古墳石室のような形状をしているが,安楽寺は別の場所を境内地としていたけれども後に現在の場所に移転してきた寺院なので,現在の「天岩戸」は移転後に建設された造作であることになる。そして,移転前の元の境内地の時代においては,「天岩戸」が本当に古墳の石室を指すものだった可能性があると想像される。

この点と関連して,安楽寺のホームページの中にある寺伝によれば,「行基菩薩がこの地に観世音菩薩の像を彫って岩窟に納めたことが始まり」とのことなので,「天岩戸」とは古墳の石室ではなく,天然の岩崖のことを指すことになる。ただし,その岩崖がどこに存在するかは不明。

岩崖に観音堂を建設した吉見町内の寺院の例としては,岩室観音(埼玉県比企郡吉見町北吉見)がある。

あくまでも一般論としては,観音像を安置できる「岩崖」に該当し得る場所としては,例えば,吉見百穴のような横穴墓も含まれ得るのではないかと考えられる。



 坂東十一番 吉見観音-安楽寺-



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