佐倉市坂戸:西福寺と坂戸谷原1号墳

過日,浄土宗・金剛山願正院西福寺(千葉県佐倉市坂戸)を参拝した。本尊は,阿彌陀如来。

西福寺に関しては,千葉縣印旛郡役所編『千葉縣印旛郡誌』(大正2年)の復刻版である『千葉県印旛郡誌 前篇』(臨川書店,昭和60年)の388~389頁に詳細な解説がある。

西福寺は,永仁年間に千葉新介胤正が建立した阿弥陀堂がはじまりで,応安年間に高連社良栄上人が開山した古い寺院。

西福寺の念佛踊りは非常に有名なもので,坂戸の念仏踊として千葉県指定の無形民俗文化財となっている。また,境内にあるイチョウの古木は,佐倉市の保存樹木となっている。

境内の大師堂と鐘楼は(途中で分断されているけれども)長方形のような形の塚状基壇の上に建立されている。
この塚状地形部分は,坂戸谷原1号墳と呼ばれる前方後円墳として理解されてきたが,現時点では中世の塚として扱われている。ただし,発掘調査等は行われていないようだ。
実見したところ,塚というよりは鎌倉時代~室町時代頃の城郭また館の土塁の二次利用物なのではないかというような印象を受けた。

ちなみに,西福寺の境内地をもって坂戸馬場城跡の所在地とする見解が非常に多いのだが,ちば情報マップ上では,西福寺の北東(坂戸八幡神社の東)に位置するものとしている。
どちらの見解が正しいのかは分からない。
あくまでも素人の想像としては,このあたり一帯が比較的大規模な防御用土塁をもつ複数の館または砦が集合しているような場所だった可能性はあり得ると考えられる。


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西福寺入口付近


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山門


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寺号標


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本堂


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坂戸の念佛踊りの説明板


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大師堂


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同上


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鐘楼


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同上


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大師堂と鐘楼の基壇部


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同上


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六地蔵


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イチョウの古木




 千葉県教育委員会:坂戸の念仏

 余湖:坂戸馬場館(佐倉市坂戸字馬場)



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