九十九里:一之宮海水浴場で見たシロチドリ
2024年12月27日のことだが,九十九里の一宮海水浴場(千葉県長生郡一宮町新地)を訪問した。
砂浜の隅の方で少なくとも6羽の小グループになって行動しているシロチドリ(Charadrius alexandrinus)を観た。休むときは,砂地に小さな穴を掘り,その中に体の下半分を埋めるようにしている。カモフラージュの一種なのだろう。
シロチドリを亜種シロチドリ(Charadrius alexandrinus dealbatus)と亜種ハシボソシロチドリ(Charadrius alexandrinus alexandrinus)とに分けて分類する見解が主流となっているようだ。
この見解に立脚すると,私が観たシロチドリは,厳密には2つの亜種の混在である可能性がある。側胸に濃い黒帯のある亜種ハシボソシロチドリに該当する可能性があり得る。
しかし,直観的な感想としては,私が観た個体は全て亜種シロチドリであり,側胸の黒帯のような羽模様は,様々な成長段階にある個体が混在していることによる差異の範囲内または個体差の範囲内なのではないかと考えられる。
黒帯のような羽模様のある個体は,既に繁殖期の羽色に変化しているのではないかとも考えられる。
逆に2種類の亜種が混在していると判断するのが正しいと仮定した場合,6羽中の1羽(黒帯の羽模様が全くない個体)は亜種シロチドリ成鳥の冬羽個体であるが,他の5羽の個体は,亜種ハシボソシロチドリの成鳥と若鳥が混在する小グループであり,何らかの経緯により一緒に行動しているということになるのではないかと考えられる。
ところで,シロチドリは,かつては九十九里浜一帯で普通に見られた野鳥らしいのだが,海岸の自然が失われるにつれ減少したとのこと。ただし,砂浜への自動車の乗り入れが禁止されていく区域では回復傾向がみられるという観察結果もある。
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