柏市片山:御嶽神社
過日,手賀の丘公園(千葉県柏市片山)の敷地内にある片山古墳群を再訪した。
片山古墳群は,「前方後円墳1基,方墳4基,円墳79基,上円下方墳1基」で構成される大規模な古墳群なのだが,配置図や詳細な解説書等が全く公表されておらず,精密な調査を経ることなくキャンプ場や遊具設置場所等として遺跡包蔵地が現に破壊され続けているという点でも顕著に特異な特色のある大規模古墳群だと言える。
現地には説明板や標柱等が一切存在しないので,この場所が片山古墳群の所在地であるということに気づいている公園利用者がどれだけいるのかは不明。柏市当局は,(オープンデータとしての詳細な情報公開を含め)適切に対処すべきだ。隣地にあるオッコシ古墳群及び関連遺跡を含め,文化庁も関心をもつべき遺跡だと考える。
片山古墳群に関して,公式の古墳番号があるのかどうかは不明。 柏市史編さん委員会編『柏市史(原始古代中世 考古資料)』(平成31年)及び柏市史編さん委員会編『柏市史(沼南町史 通史編)』(令和5年)のいずれにも片山古墳群に関する詳細な解説は含まれていない。詳細な解説が含まれていないことの理由も不明。
正確な公式情報が全く提供されていないので推測によるしかないのだが,片山古墳群を構成する古墳の中で上円下方墳とされている場所に該当すると判断した御嶽神社を訪問した。
「ぺんの古墳探訪記」では,この場所に関し,片山古墳群の74号墳と推定している。
御嶽神社の由緒等の詳細は不詳。神仏習合のままの神社だと考えられる。
御嶽神社の鎮座地は,手賀の丘公園駐車場~テニスコートから見て道路(手賀の丘公園通り)をはさんだ北側であり,この道路から鳥居が見える。また,御嶽神社の周辺には(比較的状態の良い状態で)古墳とされている塚状地形が多数残されている。
ただし,これらの古墳とされてきた塚状地形の全てが古墳時代の古墳であるかどうかは不明なままであり,中には後代の塚であって古墳時代の古墳ではないものも含まれていると推定するのが多数の見解となっている。
御嶽神社もまた古墳時代の古墳であるかどうか疑問が呈されている塚状地形の一つ。古墳であるとしても,おそらく江戸時代以降に円墳の墳丘の一部を削って方墳状とした上でその上に土と石を積み上げて神社の基壇部とした古墳の二次利用物としての信仰塚だと考えるのが妥当ではないかと思われる。
この御嶽神社の脇には境内社の残骸ではないかと思われる場所がある。その場所は,小規模な円墳または塚を二次利用したものだと考えられる。元はちゃんとした祠が建立されていたようだ。「ぺんの古墳探訪記」にはその祠の写真が収録されている。
参道と鳥居
御嶽山供勧社供養塔
御嶽山参拝記念碑
正面から見た様子
頂上にある御嶽神社
宝珠?
北東の方から見た様子
境内社跡?
同上
青面金剛明王
手賀の丘公園内のフィールドアスレチックエリア付近で進行中の施設工事
ぺんの古墳探訪記:片山古墳群1-2-3-4-5-6-7-8-9-10【千葉県柏市】
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