茨城県那珂郡東海村須和間:住吉神社

過日,住吉神社(茨城県那珂郡東海村須和間)を参拝した。祭神は,表筒男命・中筒男命・底筒男命・息長帯姫命。

住吉神社に関しては,東海村教育委員会編『東海村誌』(昭和33年)の153~155頁に詳細な解説がある。
『東海村誌』によると,社伝として,和銅元年に橘諸兄が創立した神社と伝えられているとのこと。永正3年(1506年)に火災に遭ったが,寛文年間に徳川光圀によって社殿が修復された。元は競馬の神事が行われたけれども,現在では途絶えている。

「須和間」との地名は,「上諏訪神社の鎮座地と下諏訪神社の鎮座地との間にある場所」なので「諏訪間」だったものが後に「須和間」に変化したということらしい。現在,その上諏訪神社と下諏訪神社は,住吉神社の境内社となっている。

また,古い時代に鬼がこの地に来て住民を殺したので,神が鬼を撃ってこの地に埋め,その鬼を埋めた塚が今なお存在しているとも伝えられているとのこと。
鬼とは,朝廷に逆らう勢力のことであり,神とは朝廷のことであると推測される。古代において,この地で激戦があったのだろう。鬼の塚とは,古墳のことを指すのではないかと考えられる。

いばらきデジタルマップによれば,住吉神社の境内地(鳥居と社殿の間付近)は,「宮山遺跡」と呼ばれる古墳時代の遺跡包蔵地(古墳群)となっている。
宮山遺跡の所在地には現在では墳丘が全く見られないけれども,その地下には古墳の遺構が残されているということではないかと思う。かつては,このあたりに複数の古墳が存在した可能性が高い。

住吉神社の周辺・近隣には弥生時代~古墳時代~奈良・平安時代の遺跡包蔵地が多数ある。住吉神社の鳥居前も宮前遺跡と呼ばれる遺跡包蔵地となっている。


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鳥居


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東海十二景の石碑


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「東海十二景 住吉社寒霜」の説明板


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八衢彦大神


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参道(宮山遺跡所在地)


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東海村登録文化財の標識


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拝殿前の鳥居


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拝殿


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拝殿正面の彫刻


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本殿


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社殿側面


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境内社(上諏訪神社)


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境内社(下諏訪神社)


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境内社(山神神社)


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手水


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社務所


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住吉神社付近の景色



 東海村観光協会:住吉社寒霜



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