取手市中内:明光寺

過日,天台宗・明光寺(茨城県取手市中内)を参拝した。本尊は,大日如来。

藤代町史編さん委員会編『藤代町史 通史編』(平成2年)の435頁によれば,「開山は相当に古い寺であるといわれるが,この寺院建立の縁起にちついて江戸時代末期に火災に遭って全焼したので不明である」とのこと。境内には由良信濃守義重を供養する宝篋印塔があるので,遅くとも戦国時代末期または江戸時代初期には存在した寺院であり,牛久城の城主となった由良氏と関係する寺院であり,元は真言宗の寺院だったと考えられる。

『藤代町史 通史編』の435頁によれば,本堂に関し,「火災後再建されたが昭和三十年に解体され,現在そこに中内部落の公民館が建てられ,その中に本尊(大日如来)が安置されている」とのこと。現況では立派な本堂が存在し,その脇に公民館と思われる建物がある。

山門は,とても立派なものだった。
『藤代町史 通史編』の435頁によれば,「この山門は宝暦四年(一七五四)の建立で,江戸時代中期を代表する禅宗的建築様式であると言われる」とのことであり,藤代町による文化財としての指定の説明板もある。
ただし,市町村合併後の取手市の文化財関係のインターネット上のコンテンツをみる限り,明光寺の山門に対する言及を見つけることができないので,現時点において取手市の文化財としての指定があるのかどうかは不明。

この山門は鐘楼門なのだが,戦時中に梵鐘が供出されたままとなっているらしい。

なお,2024年11月27日現在,取手市のホームページ上ではこの山門を貴重な文化財として扱う記述はない。取手市当局は,この寺院の文化財としての価値にもっと着目すべきではないかと思う。


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山門


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山門側面


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山門の説明板


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大師堂


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馬頭観世音


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宝篋印塔と供養塔など


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本堂


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本堂側面



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