小美玉市中台:栗原慈母観音堂と掃部衛門碑
過日,栗原慈母観音堂(茨城県小美玉市中台)を訪問した。縁起等の詳細は不詳。
現在,栗原慈母観音堂は,つくば電気通信希望ケ丘公園内にあるが,元は(近隣の)別の場所にあった御堂を現在の場所に移動したのではないかと思われる。つくば電気通信希望ケ丘公園内には,現在では隠滅している中台権現堂経塚群と呼ばれる遺跡があった。地名から推測すると,慈母観音堂は,元は権現堂だったのかもしれない。
栗原慈母観音堂と並んで,栗原掃部衛門碑が建立されている。栗原掃部衛門碑は,永禄4年(1561年)に栗原掃部衛門が父母の供養のために建立した板碑。小美玉市の文化財に指定されている。
千葉隆司「石に描かれたみほとけ-線刻表現の石仏の分析-」筑波学院大学紀要第4集149~158頁(2009年)の152~153頁によれば,この栗原掃部衛門碑は,元は現在地の南に位置する台地南端付近(市立農村環境改善センターの敷地付近?)に建立されていたものとのこと。その場所は,元は「掃部衛門山」と呼ばれていたとのこと。
また,同論文は,栗原掃部衛門に関し,竹原城の城主・竹原四郎義国の配下の武将だったとしている。現在では市立農村環境改善センターの敷地となっている場所付近に栗原掃部衛門の屋敷があったのかもしれない。
栗原慈母観音堂と掃部衛門碑
栗原慈母観音堂正面
栗原慈母観音堂側面
掃部衛門碑
掃部衛門碑の説明板
つくば電気通信希望ケ丘公園の案内図
まほらにふく風に乗って:栗原掃部衛門碑
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