二戸市福岡:呑香稲荷神社(その3)
過日,呑香稲荷神社(岩手県二戸市福岡)を参拝した。祭神は,宇迦廼御霊命。神明社(天照大神)と八幡宮(誉田別命(応神天皇))を合祀し,配祀している。
呑香稲荷神社に関しては,二戸市史編さん委員会編『二戸市史 第二巻 近世・近代・現代』(平成13年)の339~341頁に詳細な解説がある。
境内社として,大作神社と九戸政実神社が鎮座しており,また,九戸政実神社の脇にある石段の上の台地は,九戸城松の丸跡(福岡城跡)となっている。これら呑香稲荷神社の境内地~九戸城松の丸跡(福岡城跡)の所在地は,戦国時代頃~明治維新頃におけるこの地域の歴史が濃縮されて保存されているような独特の場所となっている。
九戸政実神社の祭神は,九戸政実。
九戸政実と九戸城跡に関しては,二戸市史編さん委員会編『二戸市史 第一巻 先史・古代・中世』(平成12年)の670~712頁に詳細な解説がある。
九戸城が落城した後,九戸政実は,(現在の宮城県栗原市栗駒稲屋敷)で処刑され,その遺骸を埋めた場所には塚が設けられた。この塚は,九戸檀と呼ばれていたようだ。明治初年に遠田群の行者がこの塚を発見し,九戸政実の鎮魂のため九ノ戸神社を建立した。
その後,九ノ戸神社の祭神(九戸政実の靈)を分霊した神社が九戸城跡二の丸跡に建立されていたが老朽化したため,呑香稲荷神社の境内地に遷座し,現在の社殿が新築された。
宮城県栗原市を訪問したことはないが,もし機会があれば九ノ戸神社を参拝したいと思っている。
九戸政実神社
九戸政実神社の説明板
大作神社と九戸政実神社の鎮座地
九戸城松の丸跡(福岡城跡)に登る石段
九戸城松の丸跡(福岡城跡)の様子
呑香稲荷神社
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