センニンソウ
昨日(2024年9月10日),自宅近くの里山を散策中,段丘崖斜面の樹木などにからまって開花しているセンニンソウ(Clematis terniflora)を観た。
個人的な見解としては,センニンソウは,日本のクレマチス野生種の一種であり,カザグルマのような園芸上の優秀さは全くないが,里山の景観と最もマッチした植物種なのではないかと思っている。
ただし,センニンソウは,有毒植物の一種であり,花粉や汁などに触れると皮膚炎を起こすことがあるので,素手で触ってはならない。
他方において,センニンソウの含有成分は,生薬(漢方)の原料として知られている。
一般に,生薬として用いられる成分の大部分は毒成分であり,それを専門医が希釈して用いると有用性を発揮するのであり,「毒には毒をもって・・・」のような発想が常に基底に存在している。
そのことを正しく理解せず,「薬だから有益(=無害)」と即断し,漢方薬を大量に摂取して障害を発生させてしまった事故事例が過去に多数存在し,中には民事訴訟となってしまった事例も存在する。
一般に,漢方に限らず,普通の西洋医学で用いられる薬剤やドラッグストアで販売している市販薬でも,人間の生理現象に対して悪影響を全くもたない薬物は(偽薬のような例外的な場合を除き)存在しないので,薬品の過剰摂取は必ず障害や死亡の結果をもたらす。
結局は,日ごろから勉強を怠らず,正しい知識に基づいて節度ある生活をし,必須の栄養素を正しく摂取して耐久性と回復力のある身体と精神を維持するように不断の努力を継続する以外によい方法はないと考えられる。
このことは,貝原益軒が既に述べていることでもあるのだが,現代社会では「欲望」の方が優越してしまいがちなので,まともなことを述べても誰も耳を貸さないというようなことがあまりにも多すぎる。
日本薬学会:センニンソウ
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