アシナガバエの一種
昨日(2024年9月4日),つくば植物園(茨城県つくば市天久保)を訪問した。
園内の野菜などを栽培している区画にはクマイチゴ(Rubus crataegifolius)が植栽されている。そのクマイチゴについていたキイチゴトゲサルゾウムシ(Scleropteroides hypocrita)と思われる小さなゾウムシを観察していたところ,その近くにアシナガバエの仲間と思われるとても小さな緑色メタリックのハエがいるのを見つけた。その場では同定できなかったので,その小さなハエの写真を撮っておいた。ただし,ストロボを使用していないので,脚の毛の有無は識別できるものの,鮮明な写真ではない。
撮影してきた写真を基礎として,熊澤辰徳・須黒達巳『ハエハンドブック』(文一総合出版,2024年)に収録されている写真と照らし合わせて検討してみたけれども,同書の中には識別点が完全に一致する昆虫種の写真は収録されていなかった。
『ハエハンドブック』に収録されている写真の中で最も近いと考えられるのは,ウデゲヒメホソアシナガバエ(Amblypsilopus pilosus)なのだが,後脚の色が異なる。
私が観た個体は,脚の色が全て黒だった。それゆえ,クロアシヒメホソアシナガバエ(Amblypsilopus sp. 2t)かもしれないのだが,よくわからない。
とりあえず「Amblypsilopus sp.」としておくことにした。
アシナガバエの仲間の写真を最初に撮ったのは2008年。2023年にはマダラホソアシナガバエ(Condylostylus nebulosus)の写真を撮った。アシナガバエの仲間の写真を撮影するのに成功したのは,今回で3度目ということになる。
一般に,アシナガバエの仲間の同定をするためには,採取して標本を作製し,顕微鏡で細部を観察しないといけないらしく,自然界において生きている状態の個体の写真だけでは同定不可能または極めて困難なグループのようだ。
この分野の専門家でなくてよかったと思う。
撮影した写真
ハエの部分をトリミング処理した写真
知られざる双翅目のために:日本産アシナガバエ科チェックリスト
熊澤辰巳「知られざる小さきハンター、アシナガバエの世界」
平群庵昆虫写真館:”ニセ”アシナガキンバエ
成城の動植物:”ニセ”アシナガキンバエ(ウデゲヒメホソアシナガバエ:Amblypsilopus sp.1)
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