旭市清和乙:熊野神社(その2)
過日,熊野神社(千葉県旭市清和乙)を参拝した。祭神は,速玉之男命・伊邪那美命・事解之男命。猿田大神を合祀している。
熊野神社は,大同元年(806年)に海上郡三川浦で創始された古い神社とされている。天暦9年(955年)に現在の鎮座地(松澤荘)に遷座し,格式の高い神社として崇敬され続け,鎌倉時代には千葉常胤から寄進を受け,江戸時代には徳川家から寄進を受けたとのこと。
熊野神社に関しては,千葉縣香取郡役所編『千葉縣香取郡誌』(大正10年)の369~370頁に詳しい解説がある。
現在の社殿は昭和44年に再建されたもの。とても立派な社殿だった。
熊野神社では様々な祭礼が挙行される。その中でも式年神幸祭が特に有名であり,大変賑やかに祭礼が挙行されるようだ。
熊野神社の式年神幸祭に関しては,東庄町史編さん委員会編『東庄町史 下巻』(昭和57年)の875~877頁でも「松沢(干潟町)熊野神社の御神幸祭」として非常に詳しく説明されており,とても勉強になる。
また,熊野神社では神楽が奉納される。この神楽は,千葉県指定の無形民俗文化財となっている。
熊野神社境内地の奥(社殿の北東側・松沢農村公園所在地)は細長い舌状台地のようになっており,平安時代~鎌倉時代~室町時代頃には小規模な砦が存在したのではないかというような印象を受けた。しかし,この場所は,現在のところ何の遺跡包蔵地ともなっていない。
また,社殿背後には土塁のような地形部分がある。これは,社殿再建の際に構築されたものかもしれない。
熊野神社の北西側~北側の少し離れたところには山口遺跡と呼ばれる旧石器時代,縄文時代,奈良・平安時代の複合遺跡の包蔵地がある。この遺跡と熊野神社との関係は不詳。
熊野神社の拝殿
拝殿の扁額
熊野神社の本殿
同上
熊野神社の由緒の説明板
熊野神社の神楽の説明板
熊野神社修復記念碑
境内社(鹿島神社)
境内社(香取神社)
境内社(三峰神社)
庚申塔・石祠など
猿田彦大神
庚申塔
女男石
女男石の説明板
神楽殿
手水
社務所
境内の様子
社殿背後にある土塁のような地形部分
古樹
シジュウカラ(Parus minor)?
キジバト(Streptopelia orientalis)
松沢 熊野神社 松澤荘
松沢 熊野神社 松澤荘:御神幸祭
旭市:熊野神社の神楽 【県指定無形民俗文化財】
『東庄町史』
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