印西市別所:地藏寺(その1)
過日,天台宗・金龍山寳泉院地蔵寺(千葉県印西市別所)を参拝した。本尊は,地蔵菩薩。
本堂の近くにある大師堂は,印西大師第七十番札所となっている。
地蔵寺のホームページによれば,地蔵寺は,聖武天皇の時代に高僧・行基菩薩によって草庵を結んだのを始まりとし,慈覚大師・円仁が地蔵菩薩を刻んで祀り,円仁の言上により,仁明天皇の勅願所として承和年間に開山したという古い寺院。その後,戦火等により堂宇を焼失したが,江戸時代に再建され,今日に至っている。
地蔵寺の本堂(寳泉院)は享保2年(1717年)に建立の建物,仁王門は寛政9年(1797年)に建立の建物,地蔵堂は宝暦9年(1759年)に建立・平成8年(1996年)に屋根改修の建物とのこと。
千葉縣印旛郡役所編『千葉縣印旛郡誌』(大正2年)の復刻版である『千葉県印旛郡誌 後篇』(臨川書店,昭和60年)の590~593頁には,地蔵寺に関する解説がある。
地蔵寺には鎌倉時代中期の作とされる阿弥陀三尊像と平安時代末~鎌倉時代初期の作とされる地蔵菩薩立像が安置されている。この木造地蔵菩薩立像(本尊)は,千葉県の有形文化財に指定されている。
同書の590頁は,天台宗延暦寺派であり,享保3年に中興開山の寺院としている。また,同書590頁には「阿弥陀如来を本尊とす」とも書かれている。地蔵寺に安置されている阿弥陀三尊像のことを指すものと解される。同書591頁では厄除地蔵尊の旧記を引用し,「本尊は御丈三寸餘の閻浮檀金の地蔵菩薩 三國傳來の靈像にして・・・」とも書かれている。この記述は,阿弥陀如来は本堂の本尊であり,地蔵菩薩は地蔵堂の本尊であるとの趣旨のものかもしれないが,よくわからない。
加えて,同書の591頁は,戦火により地蔵寺の堂宇が残らず灰燼に帰した時にも地蔵菩薩像と宝剣は無傷のまま残されたと述べている。
地蔵寺入口付近
門柱
本堂(寳泉院)
石神堂(金精様)
大師堂
不動明王三尊供養塔・歌碑など
福禄寿
天台宗 金龍山 寳泉院 地藏寺
印西市:木造地蔵菩薩立像[県指定有形文化財(彫刻)]
ぐるり房総:別所の宝剣様
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