常陸太田市西二町:遍照寺
過日,時宗・杉本山遍照寺(茨城県常陸太田市西二町)を参拝した。
常陸太田市観光物産協会のパンフレットによれば,遍照寺は,元は光明寺と称し,応仁2年(1468年)に開基された寺院だったが,元禄11年,徳川光圀の命により,寺号を遍照寺と改めたとのこと。また,同パンフレットによれば,明治23年に大光院新田寺(群馬県太田市金山町)から分霊されたとのこと。大光院新田寺の本尊は阿弥陀如来なのだが,阿弥陀如来の霊を分霊するということはあり得ないことなので,このパンフレットの記載のとおりであるとすれば,遍照寺の現在の本尊は,(大光院新田寺の呑龍上人墓所から分霊された)呑龍上人の霊ということになる。ただし,観光パンフレットの記述なので,その根拠の有無・程度は全く不明。
塙泉嶺『茨城縣久慈郡郷土史』(大正13年)の49頁には,遍照寺に関し,「本寺は相模藤澤清浄光寺とす 除地六石八斗五升六合」と書かれていので,遍照寺は,遊行寺との呼称でも知られている藤澤山無量光院清浄光寺(神奈川県藤沢市西富)の末寺ということになる。
遍照寺の入口には「呑龍上人霊堂入口」と刻まれた石柱が立てられている。遍照寺の本堂建物以外には建物が存在しないので,その本堂建物が呑龍上人霊堂に該当するのだと判断した。
なお,遍照寺は,通称として「呑龍さん」と呼ばれており,かつては縁日が開催されたとのこと。
遍照寺本堂
呑龍上人霊堂入口碑
歴代住職の墓石など
遍照寺の境内地付近から見える景色
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