日光市上三依水生植物園で見た花など(その1)
2024年7月30日のことだが,日光市上三依水生植物園(栃木県日光市上三依)を訪問した。
この植物園は,日光市(日光市観光経済部藤原観光課)が所管し,有限会社山加園に事務委託して運営されている植物園。丁寧に管理された施設内に日本の山野草と海外の園芸植物が植栽され,展示されている。山野草苗の販売コーナーもある。
駐車場と植物園敷地との間には男鹿川が流れており,男鹿川にかかる水生橋を渡り,そこから南の方に少し歩くと植物園に至ることができる。
水生橋の手前(駐車場隅)には,植物園の案内板と旧会津西街道の説明板がある。
水生橋から施設入口までの間にある通路の路傍でオトギリソウの仲間の花を見た。普通のオトギリソウと比較すると何となく軟弱でひょろひょろしており,葉の付け根の部分が葉柄状になっていて茎を抱かないという特徴がある。たぶん,サワオトギリ(Hypericum pseudopetiolatum)だろうと思うのだが,確実ではない。
なお,コゴメバオトギリ(Hypericum perforatum subsp. chinense)の可能性も検討したが,コゴメバオトギリではなさそうだ。コゴメバオトギリは,帰化植物。現在では長野~北関東の亜高山帯まで分布を拡大しているとのこと。
この通路のあたりにはシャクジョウソウ(Monotropa hypopitys)も出るらしく,その旨の標識があった。しかし,私が訪問した時には,どうもその時期ではなかったらしく,シャクジョウソウの姿を見ることはできなかった。
橋
植物園の説明板
会津西街道の説明板
水生橋から見た男鹿川
同上
旧会津西街道の一部?
空の様子
サワオトギリ
(Hypericum pseudopetiolatum)
タマゴタケ(Amanita caesareoides)
シロハツ(Russula delica)または近縁種
ウツボグサ(Prunella vulgaris subsp. asiatica)
七滝
七滝の説明板
上三依水生植物園の施設入口付近
歓迎の案山子
上三依水生植物園案内図
ハナツリフネソウ(Impatiens balfourii)
同上
ヒオウギ(Iris domestica)
シキンカラマツ(Thalictrum rochebruneanum)
同上
セイヨウオトギリ(Hypericum perforatum)?
旧会津西街道は,水生橋から見て東~北東の方に位置しており,同街道と関連する遺跡として上三依野仏群と上三依一里塚などがある。時間の関係で今回は訪問しなかった。
日光の北は,自然境界によって隔てられているとはいえ,会津となっている。旧会津西街道の一部ではないかと思われる山道の一部を眺めながら,「山の向こうは関東ではなく会津なのだ」ということを実感した。
そして,慶応4年(1868年)に原保太郎によって不当にも処刑(斬首)された小栗忠順の妻・道子が会津に向かって落ち延びた峻険な山道とはこの会津西街道のことを指すのだろうか・・・と想像を巡らせた。
一般に,歴史に「もし」は許されないことになっているが,もし小栗忠順が処刑されず,戊辰戦争後に明治政府のためにも尽力したとすれば,明治時代における偉人の名簿ががらりと変わっていた可能性があると考えられる。
大隈重信は,小栗忠順という極めて優れた能力の持主の死を惜しみ,かつ,その処刑(斬首)という出来事の背後にあった真の事情を見抜いていたからこそ,小栗忠順の子孫を助け,小栗家を復活させるために尽力したのではなかろうか。
日光市上三依水生植物園
三河の植物観察:サワオトギリ 沢弟切
四季の山野草:コゴメバオトギリ
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