香取市佐原:水の郷さわら観光船乗場付近で見た外来植物
先日,水の郷さわら(千葉県香取市佐原)の観光船乗場付近を散策した。
観光用に立派に整備された施設なのだが,生態系の管理に関しては全く感心しない。外来種がほぼ支配的となっていた。
岸辺近くにはイグサ(Juncus decipiens)を巨大化させたような植物が繁茂していた。コゴメイ(Juncus polyanthemus)だろうと思われる。
コゴメイは,比較的長い間,正体不明の植物とされてきた。しかし,現在では,オーストラリア原産の外来種として同定されている。
コゴメイに関しては,植村修二・勝山輝男・清水矩宏・水田光雄・森田弘彦・廣田伸七・池原直樹編著『増補改訂日本帰化植物写真図鑑第2巻-Plant invader 500種-』(全国農村教育協会,2015年)の306頁にその解説がある。
また,観光船乗場一帯では,メリケンムグラ(Diodia virginiana)が広範囲かつ濃密に繁茂しており,最も支配的な植物種となっていた。在来種を完全に圧倒し,排除している状態にあると言える。
メリケンムグラに関しては,清水矩宏・森田弘彦・廣田伸七編著『日本帰化植物写真図鑑-Plant invader 600種-』(全国農村教育協会,2001年)の230頁にその解説がある。
更に,浚渫船を係留してある場所付近にはオオフサモ(Myriophyllum aquaticum)などの外来水生植物が密生していた。
水の郷さわらの観光船乗場付近の敷地及びその周辺には在来種が乏しく,基本的には外来種ばかりになっていることの原因に関しては,(洋風の観光港湾施設とするために)施設管理者が意図的にそのようにしたのかもしれないが,よくわからない。
コゴメイ(Juncus polyanthemus)
同上
同上
同上
メリケンムグラ(Diodia virginiana)
同上
同上
同上
同上
観光船乗場付近の様子
浚渫船
同上
同上
オオフサモ(Myriophyllum aquaticum)
掲示
三河の植物観察:コゴメイ 小米藺
野田市:コゴメイ(小米藺)(イグサ科イグサ属)
松江の花図鑑:メリケンムグラ(米利堅葎)
侵入生物データベース:オオフサモ
この記事へのコメント