オオクルマバナとハサミムシの一種

2024年7月20日のことだが,戦場ヶ原(栃木県日光市中宮祠)を訪問した。

赤沼駐車場からゆっくりと歩きながら進み,青木橋付近に到達したところで雲が広がりポツポツと雨粒が降ってきたので,引き返すことにした。それでも,約2時間半ほどの間にかなり多種類の動植物を観察できた。幸運だったと思う。

湯川沿いの木道脇の各所にオオクルマバナ(Clinopodium coreanum subsp. stoloniferum)が生えており,開花していた。一般的にはニッコウクルマバナ(Clinopodium chinense subsp. grandiflorum var. parviflorum f. setilobum)として扱われており,赤沼自然情報センターなどでもそのように紹介されておるけれども,現時点においては,ニッコウクルマバナをオオクルマバナの異名(synonym)とする見解が支配的になっていると考える。この点に関しては,既に別のブログ記事に書いた。

さて,今回は,オオクルマバナの花の上でハサミムシの仲間がうろうろしているのを見つけた。2024年7月5日に戦場ヶ原を訪問した際,サワギク(Nemosenecio nikoensis)の花の上にいるのを見つけたハサミムシの一種と同種の昆虫ではないかと思う。

今回は,そもそも林床の植物なので暗いところが多いということもあったが,このハサミムシの一種を可能な限り正確に撮影したいと考え,積極的にストロボを使用して撮影した。

帰宅してから写真を検討してみた。

ルイス型のコブハサミムシ(Anechura harmandi)の成体のようにも見えるが少し異なる点がある。例えば,小楯板の形状及び翅の色が標準的なコブハサミムシ成体の特徴と異なっている。

手持ちの全ての図鑑,ネット上で検索可能な全ての写真と比較検討したが,私が観た個体のような特徴をもつ成体を見出すことができなかった。

コブハサミムシの(未登録の)亜種であるという可能性は否定できないものの,現時点では,ルイス型のコブハサミムシの幼体として暫定的に判断しておくことにした。
ただし,採取して飼育した経験があるわけではないので,確実な同定ではない。

この分野の専門家による研究成果が公表される日を待ちたい。


Anechura?


Anechura?


Anechura?


Anechura?


Anechura?



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