ハリガネスゲ
2024年7月5日のことだが,戦場ヶ原(栃木県日光市中宮祠)を訪問した。
戦場ヶ原を一周するコースを歩き,いま見られる動植物を観察した。
湿原の木道を移動中,ハリスゲの仲間と思われるカヤツリグサ科植物の小穂を見た。細長い茎の先端に1個だけ小穂をつけている。小穂の上部に比較的大きな雄花部があり,有花茎は鈍稜があり平滑。
該当しそうな植物種が3種ある。ハリガネスゲ(Carex capillacea),ニッコウハリスゲ(Carex fulta),エゾハリスゲ(Carex uda)の3種だ。
エゾハリスゲ(Carex uda)は,小穂上部の雄花部が小さく,有花茎には鋭稜があるとのことなので,私が観た植物種とは外形的形質上の特徴が異なる。
ニッコウハリスゲ(Carex fulta)は,小穂上部の雄花部が極めて小さく,有花茎には鋭稜があってざらつくとのことなので,私が観た植物種とは外形的形質上の特徴が異なる。
ハリガネスゲ(Carex capillacea)は,小穂上部の雄花部が大きく,雄花部の長さと雌花部の長さとは同じくらいであり,有花茎は長く伸びて10~30cmになり,鈍稜があり平滑とのことなので,私が観た植物種と同じ特徴をもつ植物種だと言える。
以上のように検討した上で,ハリガネスゲ(Carex capillacea)として同定することにした。
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