戦場ヶ原のオオクルマバナ(ニッコウクルマバナ)
2024年7月5日のことだが,戦場ヶ原(栃木県日光市中宮祠)を訪問した。
戦場ヶ原の三本松駐車場付近を散策中,クルマバナのような植物の花を見た。とりあえず写真を撮影しておき,帰宅してから調べてみた。
この植物は,オオクルマバナ(Clinopodium coreanum subsp. stoloniferum (Syn. Clinopodium chinense subsp. grandiflorum var. parviflorum))だと思われる。
「ニッコウクルマバナ」と呼ばれることもあるが,和名の異名(Synonym)であり,標準和名ではない。
従来,ニッコウクルマバナは,オオクルマバナの品種として扱われ,その学名として,「Clinopodium chinense subsp. grandiflorum var. parviflorum f. setilobum」が使用されてきた。しかし,現在の分類では,この学名は,クルマバナ(Clinopodium coreanum subsp. coreanum (Syn. Clinopodium chinense subsp. grandiflorum, Clinopodium chinense var. parviflorum))の亜種としてのオオクルマバナの学名「Clinopodium coreanum subsp. stoloniferum」の異名(Synonym)として扱われている。
基本種であるクルマバナ(マンシュウクルマバナ)の学名に関し,YListは,「Clinopodium coreanum (H.Lév.) H.Hara subsp. coreanum」を採用している。APG分類を基礎とするものであり,今後,この学名が標準として使用されることになるだろう。
現時点においては,亜種,変種及び品種の取扱いに関しては,まだ若干の混乱があるように見えるが,亜種,変種及び品種の学名は基本種から派生する学名でなければならない。
野の花賛花:オオクルマバナ(大車花)
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