千葉県旭市鎌数:鎌数伊勢大神宮
過日,鎌数伊勢大神宮(千葉県旭市鎌数)を参拝した。祭神は,天照大神。
鎌数伊勢大神宮は,寛文11年(1671年),元は椿湖だった干拓地を鎮護するため,伊勢神宮から分霊を勧請して創建された神明社(天照大神を祀る神社)。
創建神話があるわけではなく,伊勢神宮(天照大神)の神威により当地を鎮護するためという合理的な目的のために創建された神社だという客観的な由緒が明確に伝えられているという意味で,かなり希少な例であるかもしれない。
椿湖が干拓され,大勢の人々がその干拓地に入植して新たな農民となる前には,鎌数伊勢大神宮のような大規模で格の高い神社を必要としなかったけれども,干拓の後,入植による人口増加と産業興隆が発生し,そのような社会構造の変化を踏まえ,この地の円満な統治のために鎌数伊勢大神宮を創始することが必要となったということなのだろうと推測される。
境内には,塩の化石なるものが安置されている。これは,境内地及びその周辺一帯が太古の昔には海だったことを示すものだ。
鎌数神社の社殿背後地には比較的大規模で立派な樹叢がある。この場所は,コサギ(Egretta garzetta)やアマサギ(Bubulcus ibis)などの白鷺の宿営地または繁殖地となっているらしく,非常に多数の個体が存在し,境内地上空を飛行している。
現況の森の範囲だけでも結構大きいと言えるのだが,元はもっと大きな森あったらしい。第二次世界大戦末,特攻隊の基地として知られる旧海軍の香取航空基地(×字形の交叉滑走路をもつ航空隊基地)が建設されたことから,元の森の大部分が失われたらしい。
現在残されている森の北西側付近に位置する農地内には旧香取航空基地の掩体壕が遺跡として残されているのだが,今回は訪問しなかった。冬になって草木の葉が落ちた頃に訪問したいと思っている。
鳥居
参道
拝殿
本殿
社殿側面
由緒書
椿湖の説明板
境内社(稲荷神社)の鳥居
境内社(稲荷神社)
境内社(稲荷神社)の説明板
神楽殿
神楽殿の四神の説明板
鎌数神楽の由来説明板
境内の猫
手水
神木
夫婦杉
太古の塩の化石
塩の化石の説明板
西側参道の鳥居
(鳥居の奥は第二駐車場)
社務所
宮司家の門?
境内地の上空を頻繁に飛行する白鷺
干潟八万石総鎮守鎌数伊勢大神宮
千葉県教育委員会:鎌数の神楽
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