オオカマキリの幼体
2024年6月19日のことだが,千葉県立東庄県民の森(千葉県香取郡東庄町小南)を散策中,オオカマキリ(Tenodera aridifolia)と思われるカマキリの幼体を見た。
どこにでもいそうな昆虫なのだが,見つけようとすると意外と難しい。
なお,オオカマキリの学名に関しては,「Tenodera aridifolia Stoll」とする見解が多いが,「Tenodera sinensis Saussure」とする見解もある。
「Tenodera aridifolia Stoll」と「Tenodera sinensis Saussure」とは亜種の関係または異名(synonym)の関係にあると理解されてきたようなのだけれども,現在では,オスの生殖器の形態上の相違を基礎として,別種だと理解されている(Dana Jensen, Gavin J. Svenson, Hojun Song and Michael F. Whiting, Phylogeny and evolution of male genitalia within the praying mantis genus Tenodera (Mantodea : Mantidae), Invertebrate Systematics 23(5) 409-421 https://doi.org/10.1071/IS09004, 2009)。
日本国に分布しているオオカマキリが「Tenodera aridifolia Stoll」だけであれば特に問題はないのだが,仮に「Tenodera sinensis Saussure」も分布しており,その両者が混在していると考える場合,その区別が問題となる。
しかし,オスの生殖器の形状で区別しろと言われても素人にとってはほぼ不可能なことだ。
また,仮に両者が混在していと考えた場合,当然のことながら,両者間の自然交雑もあり得るわけで,ますますもって困難な問題と直面することになる。
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