旭市イ:熊野神社と浅間神社
過日,熊野神社(千葉県旭市イ)を参拝した。祭神は,熊野三柱大神(事解男命・速玉男命・伊弉册命)。
熊野神社は,応永7年(1400年)に紀州熊野速玉神社の分霊を勧請して創始された古い神社。天正18年(1590年)頃,木曽義昌が網戸城鬼門鎮護として信仰したとのこと。
境内に建立されている改修工事の竣工記念碑の記載から推測すると,拝殿と本殿は比較的最近に改修されたもののようだ。本殿に施された彫刻は,立派なものだと思った。
境内地それ自体は,風波により形成された自然堤防の一種という意味での砂丘地だと判断した。自然土壌の中には,砂以外の土壌成文や岩石は見当たらない。かつてこの周辺一帯が海だった頃には小さな島のような場所だったのかもしれない。
熊野神社の参道の途中から分岐する道と鳥居があり,その奥に浅間神社がある。祭神は,木花開耶姫大神。
この浅間神社が熊野神社とは別の独立の神社なのか,境内社の一種なのかは不詳。たぶん,現時点では熊野神社の境内社なのだろうと思う。明治時代の初めに明治政府の命令により近隣の多数の神社が整理・統合・廃止された際に合祀または合併された神社なのではないかというような印象を受けた。ただし,現時点では,この点に関する確実な史料を入手できていない。
浅間神社は小さな塚の上にある。この塚は,近世以降に構築された富士塚の一種であり,古墳または古代の皇族と関係する墳墓ではないようだ。
熊野神社入口付近
鳥居
手水
参道
拝殿
本殿
本殿の彫刻(一部)
本殿の彫刻(一部)
本殿背後にある境内社(八重垣神社・淡島神社?)
浅間神社の鳥居
浅間神社
浅間神社の手水
浅間神社の境内社
浅間神社の境内社
浅間神社の石段脇にある象頭山金山彦尊碑
浅間神社の石段脇にある金毘羅大権現・石尊大権現碑
植樹記念碑
熊野神社の鳥居近くにある豊穣之礎碑
熊野神社の境内林
近隣の田の様子
カルガモ(Anas zonorhyncha)
[追記:2024年6月25日]
旭市史編さん委員会編『旭市史 第二巻 近世北部史料編』(昭和48年)の11頁に収録されている『波布里集』中の図には,江戸時代における熊野大権現の境内地の様子が描かれている。
未知の駅 總フサ:旭市の神社
み熊野ねっと:熊野三柱大神
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