2024年6月12日に乙戸水生植物園で見た花や虫など(その1)
2023年6月12日に乙戸沼公園(茨城県土浦市中村西根)を訪問し,同公園内の北側に位置する乙戸水生植物園を散策した。
この日にこの場所で見た動植物の中で,ヒルムシロ(Potamogeton distinctus),チョウトンボ(Rhyothemis fuliginosa),ショウジョウトンボ(Crocothemis servilia),アオモンイトトンボ(Ischnura senegalensis)については既に別のブログ記事を書いたので,それら以外の動植物の写真を紹介しようと思う。
乙戸沼水生植物園は,園芸植物である花菖蒲と水連を見せるための施設なのだろうと思うのだが,元は谷津であり,造成工事の際に掘り起こされた土砂の中に入っていた種子が発芽して絶滅危惧種に指定されているような希少な野生植物が復活している場所としても知られている。
種子から発芽して復活しても,自然の植生の遷移に任せておくとヨシのような大型の植物が繁茂する結果,超小型の植物の多くが光を奪われて生存できなくなり,再び土中の種子だけ残して消えてしまうことになる。ところが,この乙戸水生植物園は,花菖蒲園であり,水田や攪乱が頻繁にある湿地のような生態系となっているため,水辺や湿地に生える希少な野生植物が復活した状態が維持されているのだと思う。
ラウンドアップのような強力な除草剤を使用することなく,こまめに手作業で維持管理を続けていれば,現在のような素晴らしい状態を今後も維持できるだろうと考えられる。
他には類例があまりない施設なので,復活した希少植物の宝庫という側面をもっと重視した政策のようなものを考えたほうが時流に合っているのではないかと思われる。
なお,ウチワゼニクサ(Hydrocotyle verticillata var. triradiata)のような外来種も繁茂し始めているので,早目に全て駆除されるべきだと考える。
案内板
南東側の区画の花菖蒲
チゴザサ(Isachne globosa)
同上
コウガイゼキショウ
(Juncus primatocarpus subsp. leschenaultii)
同上
ミゾカクシ(Lobelia chinensis)
同上
ウチワゼニクサ
(Hydrocotyle verticillata var. triradiata)
同上
同上
産卵のために飛行中のシオカラトンボのメス
(Orthetrum albistylum speciosum)
同上
交尾中のシオカラトンボ
スイレン(Nymphaea cv.)
同上
コフキトンボ(Deielia phaon)の未成熟オス
同上
日本の水生植物:ウチワゼニクサ
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