桐生市川内町:桐生自然観察の森(その2)
先日,桐生自然観察の森(群馬県桐生市川内町)を訪問した。
とても良い場所だと思う。
見学しながら撮影した写真の中から何枚か紹介しようと思う。
ところで,管理運営上の問題が全くないわけではない。それは,シカやイノシシによる食害がひどいという問題だ。この桐生自然観察の森だけの問題ではなく,日本各地の山地や里地などにおいて同様の問題が発生している。
その防止のため,桐生自然観察の森内には大規模に鉄柵が設置されているのだが,もし食害がなければ支出しなくてもよい巨額の経費がかかっていると推定される。
シカやイノシシの食害による自然の生態系及び人間社会に対する脅威は著しく高い。シカやイノシシが多数存在するところではヤマビルのような人間にとってかなり有害な寄生生物が繁殖することが多い。農業に対する悪影響が深刻化している場所は決して少なくない。
シカ及びイノシシ以外の野生動植物種の愛護と保全を確保し,かつ,人間社会の安全を確保するため,動物愛護法のような関連法令及び関連条例の適用・運用を根本から見直すことが望ましい。
シロバナミヤマタムラソウ
(Salvia lutescens var. crenata f. leucantha)
同上
タカネマスクサ(Carex planata)?
同上
同上
アズマヒキガエル(Bufo japonicus formosus)?
ヤマボウシ(Cornus kousa)
サワシバ(Carpinus cordata)
同上
同上
シカの食害対策のための柵
私見によれば,日本列島に存在するシカは,古代に中国大陸から家畜として導入された動物の子孫だと推定され,他方,イノシシは,古代~近世に人工交配等によって生成された豚の仲間の家畜が野生化し,更に自然淘汰の中で変化した動物の子孫と推定される。シカもイノシシも,そもそも保護されるべき純粋な野生動物ではなく,逸出・野生化した家畜の子孫だと理解するのが正しい。
大きな古墳を装飾していた動物の形象埴輪の中には明らかにシカであると判別できるものや,イヌのようでもありブタのようでもあるよくわからないものが含まれている。家禽であることが明らかなシナガチョウの形をした埴輪は多数出土している。
現在でも多数の家畜を保有していることが当該地域における権力の象徴であるような社会が世界各地に存在するが,日本国(倭国)の古代もそうだったのだろうと推測される。動物の形象埴輪は,そのような意味での富の象徴としての家畜を表現していると考えられる。
すると,同様に古墳の埴輪の中に含まれている猛禽や猿もそのようにして中国大陸から移入された動物だったかもしれないという可能性が出てくることになる。
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