筑西市小栗:内外大神宮
過日,内外大神宮(茨城県筑西市小栗)を参拝した。主祭神は,天照大御神・豊受大御神。
「内外」との呼称は,伊勢神宮の「内宮」と「外宮」のことを指す。
伝承によると,継体天皇の時代に伊勢神領として当地が選定され,内外大神宮が創建されたということになっている。この伝承の真偽は不明。この地が実際に伊勢神領となった時期はもっと遅くなってからだった可能性が高い。
とはいえ,内外大神宮の鎮座地周辺が御厨を管理したことに由来する姓をもつ常陸平氏・小栗氏の支配下にあり,独自の文化圏を形成していたことは事実だと考えられる。
伊勢神領と小栗御厨に関しては,協和町史編さん委員会編『協和町史』(平成5年)の209~218頁に詳細な解説がある。内外大神宮及び関連する諸社に関しては,同書227~229頁に解説がある。
社殿は山の裾野近くの斜面にある。長い参道を進み,石段を登って社殿の前に至り,参拝した。拝殿は1棟だけだが,本殿は向かって右側に位置している内宮(天照大御神)と向かって左側に位置している外宮(豊受大御神)の2棟に分かれている。
内宮と外宮は,江戸時代中期の建物。また,拝殿脇に安置されている御遷殿は,安土桃山時代の建物。
内宮本殿,内宮御門,外宮本殿,外宮御門,御遷殿は,国指定の重要文化財となっている。内外大神宮に奉納される小栗内外大神宮太々神楽は,茨城県の無形文化財に指定されている。
本殿の裏には非常に多数の石祠が並んでいる。これらの石祠は,小栗内外大神宮太々神楽の中で祀られている三十六座(三十六柱)の神と対応するものと思われる。
文化財としての価値が極めて高い神社であることは言うまでもないが,それだけではなく,常陸國の古代~鎌倉時代頃までの歴史を理解する上でも非常に重要な要素を多数もつ神社だと言える。
なお,内外大神宮の背後にある山は,小栗城跡となっている。内外大神宮の境内地には小栗城跡への道であることを示す標識が立てられているところがあったので少し登ってみたのだが,途中から藪になっていたので引き返した。
小栗城跡に至るためは,内外大神宮の鳥居付近から参道の西の方(鳥居に向かって左の方)に分岐する道を登らなければならない。
内外大神宮入口付近
鳥居
参道
石段
拝殿
文化財の標柱
外宮御門
外宮本殿
内宮御門
内宮本殿
本殿全景
文化財の標識
説明板
御遷殿の覆殿
御遷殿側面
御遷殿の説明板
社殿側面
境内社(稲荷神社)
境内社(大杉神社・熊野神社)
境内社(鹿島神社)
本殿背後にある多数の石祠
同上
同上
神庫
神楽殿
内外大神宮駄々神楽記念碑
小栗駄々神楽の説明板
拝殿造営の記碑
手水
石灯籠
小栗城跡への道の標識
(実際には途中で藪になっており小栗城跡に到達できない)
小栗城跡への道
(途中から藪になっている)
鳥居脇にある小栗城跡への道と参道の分岐点
(左は小栗城跡への道・右は内外大神宮参道)
茨城県教育委員会:内外大神宮 3棟
筑西市:内外大神宮 内宮本殿 外宮本殿 御遷殿
文化遺産オンライン:内外大神宮 御遷殿
茨城県教育委員会:小栗内外大神宮太々神楽
筑西市:小栗内外大神宮太々神楽
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