ズダヤクシュ

2024年6月5日のことだが,湯ノ湖(栃木県日光市湯元)を訪問し,湯ノ湖を一周する散策路を歩いてみた。 途中で,ズダヤクシュ(Tiarella polyphylla)の群落のような場所を通った。

ズダヤクシュは,日光植物園(栃木県日光市花石町)でも植栽されているので同園でズダヤクシュを見学することは可能なのだが,自生のズダヤクシュを見ることのできる機会はかなり限定されている。幸運だったと思う。

「ズダヤクシュ」とは奇妙な和名なのだが,「ズダ(喘息)」の「薬種(ヤクシュ)」すなわち薬用植物として用いられたことからこの名があるとされている。
古代においては薬師如来を祀る寺院などで処方されたものかもしれない。立派な漢文で書かれた『医心方』が制定されても,それを読み,内容を理解し,個々の薬草を使うことができるのでなければ意味がない。
それゆえ,重要物品を保管するための堂宇をもつ寺院の僧となっており,識字力と知力の高い鋭敏な者でなければ現実に薬草を栽培・加工・保存・処方することができなかったと想像される。


Tiarella polyphylla


Tiarella polyphylla


Tiarella polyphylla


Tiarella polyphylla
(ストロボを使用して撮影)




 三河の植物観察:ズダヤクシュ



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