ひたち海浜公園のハナハタザオ
昨日(2024年6月6日),国営ひたち海浜公園(茨城県ひたちなか市馬渡)を訪問し,ハナハタザオ(Dontostemon dentatus)を見学した。
大塚千尋・川田清和「沿岸部と山間部に生育するハナハタザオの栄養成長期における耐塩性比較」日本生態学会第70回全国大会 (2023年3月) 講演要旨によれば,ハナハタザオは,「環境省絶滅危惧種IA類に分類されるアブラナ科の越年草であり,日本では茨城県の海岸部と山梨県および熊本県の内陸部の3ヶ所にのみ生育が確認されている」とのこと。
写真だけではわかりにくいが,かなり小さな植物なので,同じアブラナ科の植物でも海浜性のダイコンの仲間と同じようなものかと思って探しても見つけられない。とても小さな植物なのだという認識をもって丁寧に観察していると見つけることができる。ハナハタザオは,絶滅危惧種として指定されているが,そもそも植物体が小さく貧弱であるということだけで他のより大型の植物と比較して(採光の関係などにおいて)劣位になってしまうので,どうしても広く繁殖する植物にはなれないのではないかと考えられる。
生態系は厳しい。
なお,ひたち海浜公園の砂丘観察園路内(四阿の近く)には希少植物の栽培実験をしている植栽実験区画がある。必ずしも成功しているとは言えないようであり,衰滅寸前のような極小個体がパラパラとみられた。
この場所ではない少し離れた場所でやや大きな個体をみつけることができたので,散策路から写真を撮影した。
写真を見ると綿毛のようなものが花にからみついている。これは,チガヤ(Imperata cylindrica)などの他の植物の種子。
なお,園内では,散策路のロープを越えて立ち入らないように求める一般的な注意の放送が何度もあったし,文字によってもそのような指示が行われていた。当然のことだと思う。ただし,ところどころ壊れている場所があるので,補修したほうが良い。
ハナハタザオ(Dontostemon dentatus)
同上
同上
砂丘地内の標識
同上
希少植物の植栽実験区画
ハナハタザオの植栽場所
植栽区画内のハナハタザオ
同上
説明板
ひたち海浜公園:ハナハタザオ
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