ユリカモメ?
本日(2024年5月30日)の午前,霞ヶ浦総合公園(茨城県土浦市大岩田)のすぐ西側にある田を散策していたところ,ユリカモメ(Chroicocephalus ridibundus)のように見えるカモメの仲間が1羽だけいるのを見つけた。
最初は少し離れたところにいたのだが,ズームで撮影しようとしていたら,カラスに追い払われて飛びたち,旋回した後に私の近くまで逃げてきた。そのおかげでやや鮮明な写真を撮ることができた。
その鳥の羽色は,ユリカモメの夏羽のように見えるのだが,嘴の色と脚の色に関してはちょっと違う点がある。
標準的なユリカモメの夏の嘴は赤色で先端が黒ずんでおり,脚は赤黒色ということになっている。ところが,私が見た個体は,嘴が全部鮮明な赤色をしており黒ずんだ部分が全くない。脚も鮮明な赤色をしている。
この個体は,ユリカモメの範疇内にあるのだろうか?
単なる個体差の範囲内なのだろうか?
別種の可能性も一応検討してみた。
嘴の色の特徴から,ズグロカモメ(Chroicocephalus saundersi)の該当可能性は否定できる。
嘴の色の特徴から,ヒメカモメ(Hydrocoloeus minutus)の該当可能性は否定できる。
脚の色の特徴から,ワライカモメ(Leucophaeus atricilla)の該当可能性は否定できる。
嘴と脚の色の特徴から,アメリカズグロカモメ(Leucophaeus pipixcan)の可能性も否定される。ただし,第2回夏羽のアメリカズグロカモメの該当可能性を完全に否定することはできない。
ニシズグロカモメ(Ichthyaetus melanocephalus)に関しては,海外で投稿された写真に撮影されている特徴を見る限り,初列風切りから尾にかけて黒い模様がないという前提で同定しているものと黒い模様がないという前提で同定しているものとがある。前者の見解に従えば,ニシズグロカモメの可能性は否定されるが,後者の見解に従えば,ニシズグロカモメの可能性はあり得る。ただし,世界的な分布から考えると,ニシズグロカモメは,欧州に分布する鳥であることから,飼育されていた個体の逸出のような例外的な場合を除き,迷鳥としても日本列島の土浦市内に存在している可能性は皆無なのではないかと考えられる。
なお,類似種間の自然交雑もあるらしいのだが,完全な資料を入手していないので検討しようがない。
よくわからないのだが,現時点では,ユリカモメ(Chroicocephalus ridibundus)の個体差の範囲内であり,繁殖地へ渡りそびれて孤独に耐えている独りぼっちのユリカモメとしておくことにした。
最初に見た時の様子
カラスに追われて飛びたった直後
旋回中
私の近くに降下中
やっと一安心
ズームで撮影
同上
同上
同上
同上
同上
移動しながら振り返って見ると・・・
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