真岡市高田:専修寺

過日,真宗高田派・本寺高田山専修寺(栃木県真岡市高田)を参拝した。本尊は,釈迦三尊仏(一光三尊佛)。

専修寺は,嘉禄元年(1225年)に親鸞聖人により創始・建立された寺院であり,また,専修念仏の根本道場でもあり,往時には真宗高田派の本山として大いに栄えた。
その後,兵火により衰退したけれども,真宗高田派の草創期から存在する旧本山として尊重され,「本寺」を号している。

専修寺の境内は,全体として国指定の文化財(史跡)に指定されている。
専修寺の堂宇を構成する主要な建物や境内に植栽されている欅の古樹なども国及び栃木県の文化財として指定されている。いずれも拝見した。素晴らしいとしか言いようがない。

境内の説明板では,専修寺の現在の堂宇の中で草創期のまま現存しているのは総門だけであり,それ以外の建造物は兵火により焼失し,江戸時代に再建されたものだと説明されている。ただし,文化遺産オンラインでは,総門に関しても江戸時代のものとしている。

楼門は,耐震性強化のための解体修理のための工事前の発掘調査中だったので,実物を拝見できなかった。
工事現場に掲示されている説明板などを見学した。楼門は,元は萱葺だったことが判明しているとのこと。解体修理の過程で判明した新事実を踏まえ,必要な補修を加えた上で,往時を再現するように組み立て直される見込みらしい。再訪して拝見したい。

工事現場に展示されている楼門の礎石の写真(令和5年の発掘調査時に撮影された写真)も拝見した。楼門の礎石は方形に整形されており,中心部に穴があけられている。この形状は,基本的には,真言宗・筑波山中禅寺知足院(茨城県つくば市筑波)の旧堂宇の礎石(筑波山神社の石垣内に埋め込まれるなどして現存)とほぼ同じ形状のものなので,類似する工法や様式を伝承する大工や石工が専修寺の堂宇造営に関与したということが推定される。
専修寺の楼門に関しては,解体時に元禄4年(1691年)の墨書が発見されているので,遅くともその頃の礎石の工法・様式を反映するものと推定される。
ただし,江戸時代の楼門再建前から使用されていた礎石を楼門再建時にそのまま使用し続けたのだとすれば,もっと古い時代の様式を示すものだと言い得る。


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専修寺入口付近


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真宗根本道場碑


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天拝一光三尊佛碑


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史跡専修寺境内の説明板


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総門


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総門の説明板


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長屋門


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欅の古樹


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天然記念物碑


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専修寺の文化財の説明板


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専修寺境内案内図


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親鸞聖人御手植霊木


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手水


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楼門解体修理工事現場の囲い


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楼門の説明板


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如来堂


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同上


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如来堂の彫刻(一部)


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如来堂の説明板


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宝庫(釈迦如来涅槃像)


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御陰堂


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同上


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御影堂の説明板


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太子堂


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鼓楼


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庫裏の門と鼓楼(背後は庫裏)


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鐘楼


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梵鐘


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鐘楼の彫刻(一部)


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鐘楼の説明板


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白鷺の池


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専修寺の境内林(一部)


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南門



 真宗高田派本寺専修寺

 文化遺産オンライン:専修寺境内

 文化遺産オンライン:専修寺総門



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