小美玉市下玉里:権現平古墳群再訪(その2)
2023年2月初旬のことだが,権現山古墳とも呼ばれる権現平5号墳を含む権現平古墳群(茨城県小美玉市下玉里)を再訪した。
権現平古墳群の配置図は,玉里村教育委員会編『玉里村村内遺跡分布調査報告書 玉里の遺跡』(平成16年11月)の129頁にあり,同古墳群の詳細な解説は,同書132~141頁にある。
ただし,配置図の中にある古墳所在地の図示は正確ではなく,おおまかな相対的位置関係を知ることしかできない。
また,配置図の中に記載されている権現山古墳(権現平5号墳)の周辺の山道のようなものの大部分が現況では消滅してしまっているので,現況においてもその山道が存在すると思い込んで現地に臨んでも困惑するだけかもしれない。
権現平7号墳(径17.5mの円墳)の所在地は,小美玉市民家園(旧小松家住宅)の東側に位置する尾根上となっている。
ただし,その現況は深い藪となっており,墳丘に近づくことができない。その大まかな位置関係を確認するだけでおしまいとすることにした。
権現平5号墳の墳頂から見た権現平7号墳所在地方面の様子
権現平5号墳の後円部北側付近の様子
権現平5号墳の北側にある周溝堤残骸の一部
(この残骸の奥が権現平7号墳の所在地)
権現平7号墳所在地北東側付近の様子
権現平6号墳,9号墳及び10号墳は,権現平5号墳の南東側に位置する林の中に分布しているのだが,訪問した時点では藪が深くなってしまっていたため,とてもわかりにくかった。
権現平6号墳,権現平9号墳及び10号墳の所在地付近
権現平6号墳は,径4.2mの円墳とされている。
南東の方から見た権現平6号墳
西の方から見た権現平6号墳
権現平6号墳のすぐ近くを通る獣道様の山道
権現平9号墳は,墳丘規模不明の円墳とされている。相当に攪乱されている様子であり,高崎館の土塁として二次利用するために変形されたのかもしれないけれども,昭和以降の時代に開墾等のために改変されたものかもしれないというような印象を受けた。
北西の方から見た権現平9号墳
北東の方から見た権現平9号墳
南東の方から見た権現平9号墳
権現平10号墳は,墳丘規模不明の円墳とされている。権現平9号墳と同様,相当規模で改変されている可能性がある。
権現平10号墳
以上により,権現平古墳群を構成する古墳の中で現存しているはずの古墳所在地を一応全部見たことになる。
しかし,権現平6号墳所在地とその周辺に関し,小美玉市の関係部署としては,予算を確保できる限り,危険を避けるためと遺跡保護のため,道として確保すべき場所は明確に道として整備し直した上で,必要に応じて説明板や標柱等を立てる必要があると判断した。
権現平7号墳に関しては,道を誤って崖地等に迷い込むといったようなタイプの危険を避けるため,何らかの手当てをするのが相当だろうと思う。
平地林の保全標識
権現平9号墳及び権現平10号墳所在地付近の更に東側の様子
趣味の案件:小美玉市権現平古墳群(後編)
古墳の森:権現山古墳(権現平5号墳)/ 権現平古墳群
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