鹿沼市北半田:醫王寺
過日,真言宗豊山派・東高野山弥勒院醫王寺(栃木県鹿沼市北半田)を参拝した。本尊は,薬師如来(薬師三尊)。
縁起によれば,「敏達天皇の勅願により聖徳太子が自ら薬師如来を造立」して創始された寺院とのこと。極めて古い寺院であり,縁起のとおりであるとすれば,蘇我氏が支配者であった時代において,聖徳太子により日本国内各地に設置された薬園の1つであった可能性があるということになりそうだ。
聖徳太子の偉業であるかどうかは一応措くとしても,薬師如来を本尊とする古い寺院が古代の仏教医学における極めて重要な拠点であったことは疑いようがない。仏教医学の歴史と関連する先人の研究業績を読めば読むほどそのような感を深める。当時においては,当然のことながら,本草を中心とする医学(薬方)であったので,大きな寺院の境内には薬草園も設置され,修行僧などが基本的な薬方を学んだと考えられる。
日本国の古い著名寺院の中には大同年間に創始または整備された寺院が多い。これは,大同年間に新たな医方が定められたことと全く無縁なことではないように思われる。
さて,醫王寺の境内に並ぶ堂宇はとても立派なものだった。萱葺の屋根を改修中の建物もあったので,作業の邪魔にならないように気をつけながら境内を拝見した。
醫王寺入口付近
入口脇にある六地蔵,十九夜供養塔など
醫王寺の文化財に関する説明板
石段と参道
仁王門
狛犬(一部)
金堂
金堂の彫刻(一部)
同上
六地蔵など
唐門と講堂
唐門の装飾(一部)
唐門と弘法大師堂
赤門
講堂
弘法大師堂
弘法大師堂の彫刻(一部)
地蔵堂
地蔵尊など
石塔
十九夜供養塔
榧の古樹
醫王寺
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