茨城県稲敷郡美浦村郷中:木原原古墳群(その1)
過日,木原原古墳群(茨城県稲敷郡美浦村郷中)の所在地を訪問し,アクセス可能な場所にある古墳を見学した。道が存在しないと思われるところにある古墳に関しては,直接に確認していないので,現存しているかどうかがわからない。
美浦村史編さん委員会編『美浦村史研究6号』(平成2年3月)の38~39頁によれば,木原原古墳群は,10基の古墳で構成される古墳群とされており,10号墳以外の古墳は,ニューかわぎし(茨城県稲敷郡美浦村郷中)の所在地~ファミリーマート 美浦郷中店(茨城県稲敷郡美浦村郷中)の間に分布している。
10号墳は,ファミリーマート 美浦郷中店の南西約200mにある小山のような舌状台地の南端付近にあるのだが,現在では現地にたどり着くことのできる道がなくなってしまっているようだ。やむを得ず,国道125号線の歩道からその所在地を眺めておしまいということにした。
10号墳は,1段目が約30m×35mの方形で,2段目が円形の上円下方墳とされている。未盗掘の古墳ではないかと推定されている。
10号墳が残存しているかどうかは不明。
なお,10号墳は,美浦村郷中と美浦村木原との境界付近に所在していることになっている。10号墳の所在地は,正確には,「茨城県稲敷郡美浦村木原」なのではないかと考えられる。
南東の方から見た10号墳の所在地付近
南の方から見た10号墳の所在地付近
6号墳は,南東約200mのところに位置する小規模な住宅地の中の道路脇にあり,現況は,ゴミ収集場所の奥に位置する袋地のような場所となっており,公道からは墳丘の南側の一部だけ見える。墳丘の西側・北側・東側は住宅敷地となっており,全く見えない。
6号墳は,全長19.8mの前方後円墳とされており,墳頂に大日様が祀られていたために大日塚古墳とも呼ばれている。前方部は西の方を向いているらしいのだが,立地の関係で前方部の墳丘がどれだけ残っているかは確認できなかった。
6号墳(大日塚)
5号墳(浅間塚古墳)の訪問は2度目になる。5号墳は,ファミリーマート 美浦郷中店の南西約300mのところにあり,自動車が走行可能な公道の脇にあるので,誰でも見つけることができる。全長51.3m・後円部の高さ10.4mの前方後円墳とされている。
5号墳のすぐ北にも小円墳があったらしいのだが,現在では完全に隠滅しており,現況は駐車場となっている。5号墳のすぐ北東にも小円墳があったらしいのだが,現在では完全に隠滅しており,現況は太陽光パネル群の敷地となっている。
5号墳の後円部墳頂には浅間社が祀られているので,浅間塚古墳とも呼ばれている。この浅間社(石祠)の周囲には,過去の盗掘の際に出たものとされる石棺の破片(小石材)が散在しているとのことなのだが,現在でも存在しているのかどうかは,よくわからない。
南西の方から見た5号墳の後円部
南の方から見た全景(左が後円部・右が前方部)
東の方から見た全景(左が後円部・右が前方部)
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