オニハマダイコン
本日,磯崎海岸(茨城県ひたちなか市磯崎町)を訪問した。短時間だけだったけれども海浜の植物を観察した。
一見するとアカザの仲間のようにも見えるけれども,ハマボッスの果実にちょっと似た球形の果実が多数ついている植物を見つけた。よく見るとナガメ(Eurydema rugosa)の成体と幼体が群がっている。ナガメはアブラナ科の植物を食草とするので,アブラナ科の海浜植物を検索し,検討してみた。
その結果,この植物は,北米原産の帰化植物であるオニハマダイコン(Cakile edentula)に該当すると判断するに至った。
オニハマダイコンの花はとても小さく,顕微鏡レベルの大きさなので見つけるのに非常に苦労するけれども,一応,アブラナ科の十字架型の花だと言える。
オニハマダイコンは,自生植物との関係では,オカヒジキ(Salsola komarovii)の自生地と競合することが多く,オカヒジキよりもオニハマダイコンの方が優勢な繁殖力をもっているため,オニハマダイコンが繁茂するとオカヒジキが消滅してしまうということが知られている。逆に,オニハマダイコンの抜去を鋭意推進した結果,オカヒジキの自生地を大幅に回復できた事例もある。
日本国に自生する野生植物であり,食用になるため有用植物でもあるオカヒジキの保護のためには,有害度の高い帰化植物であるオニハマダイコンを見つけ次第抜去・焼却処分してしまうという方策を採用するしかないのではないかと思う。
オニハマダイコンの花
オニハマダイコンの花
オニハマダイコンの果実とナガメの幼体
ナガメの成体
ナガメの成体
オニハマダイコンの全体
同上
海岸の景色
松江の花図鑑:オニハマダイコン(鬼浜大根)
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