牛久市城中町:観光アヤメ園で見た花など(その1)
昨日(2023年6月22日),様々な用事を済ませた後,午後のやや遅い時間帯に牛久市観光アヤメ園(茨城県牛久市城中町)を訪問し,開花中の花を観察し,その周辺にいる鳥や虫を観察し,牛久市の観光行政及び自然保護行政を評価して文書をまとめるための基礎資料を収集した。私の仕事の一部として今後も継続する。
新型コロナの関係で手入れをすることができなかったということもあるのだろうが,アヤメ,カキツバタ,ハナショウブのいずれの個体数も激減しており,原野化が進んでいる。
また,かろうじて生き残っている株の中で,(通常の開花期が経過した後となっていることもあって)数株だけが花を咲かせていた。このまま放置状態が続くと,数年以内に全部消滅してしまう可能性が高い。
一般に,ハナショウブの園芸品種(Iris ensata cv.)は,水管理及び手入れを怠ると,たちまち衰退する。
かつては品種のグループ毎に標識となる立札があったのだが,現在では全部消滅してしまったようだ。
現時点の状況を前提とする限り,そして,今後,(かなり大きな予算措置を含め)抜本的な改善が試みられない限り,この場所は既に「アヤメ園」ではない。過去の写真を掲載して観光資源として扱うことは,期待してやってくる来訪者に対する詐欺行為または欺瞞行為の一種となり,牛久市の行政全体に対する不信感を醸成させる原因となり得るので,速やかに「アヤメ園」という表示を停止または消滅させるべきだと判断した。
ただし,仮に「アヤメ園」を廃止するとなると,「牛久市は文化レベルの低いところだ」または「牛久市は文化や自然を重視しないところだ」という定評がつきかねないという深刻なレベルのリスクがあることを理解しなければならない。
なお,傷んで危険な状態にあった入口階段付近は改修工事が行われたようで,ここだけは改善がみられる。良いことだと思う。
園内の菖蒲田だった場所の中の2箇所がヘメロカリスの園芸品種(Hemerocallis cv.)の植栽場所となっており,更にその一角にハンゲショウ(Saururus chinensis)が植栽されていた。
かつて存在していた小野草園は,ほぼ完全に消失している。その残存物の一部と思われる僅少な個体が散見される程度となっている。これに代わって,環境省・農林水産省によって危険な外来種として指定されている植物が大いに増えている。
牛久市観光アヤメ園の標識
入口階段下付近改修工事後の状態
ヘメロカリスの園芸品種
(Hemerocallis cv.)
ヒメヒオウギズイセン
(Crocosmia ×crocosmiiflora)
ハナショウブの品種
ハナショウブの園芸品種
ハナショウブの園芸品種
ハナショウブの園芸品種
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ハナショウブの園芸品種
ハナショウブの園芸品種
ヘメロカリスの園芸品種
(Hemerocallis cv.)
ハンゲショウ
(Saururus chinensis)
観光アヤメ園の敷地と道路との間の斜面には古くからの植栽と見られるヤブカンゾウ(Hemerocallis fulva var. kwanso)が多数見られる。数株が開花し始めていたので,これからどんどん開花することになるだろう。
一部草刈り作業が実施されたようだ。放置するとセイタカアワダチソウ(Solidago altissima)が優位となってしまう場所だ。
ヤブカンゾウ
(Hemerocallis fulva var. kwanso)
牛久市観光協会:牛久市観光アヤメ園
環境省・農林水産省「我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト」
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