千葉県香取郡多古町島:多古光湿原で見た花など(その2)
昨日(2023年6月17日),多古光湿原(千葉県香取郡多古町島)を訪問し,同湿原及びその周辺の植物や昆虫・クモなどの小動物を観察した。
多古光湿原は,多古光湿原保全会によって管理・維持されているのだが,ここ数年間は新型コロナの影響により十分な管理活動が行われなかったらしいという情報を事前に得ていたので,もしかすると湿地内の観察ができない状態になっているかもしれないと予想しつつ現地に向かった。
現地に到着してみると,木道部分に関しては丁寧に草刈りをしてあった。また現地に設置してある案内板は,新しいものとなっていた。地元のボランティアの方々のおかげだと思う。とても助かる。
現地で見学できた植物の中で開花していたのは,クサレダマ(Lysimachia vulgaris var. davurica),ミズチドリ(Platanthera hologlottis)だけ。シロネ(Lycopus lucidus)とコオニユリ(Lilium leichtlinii f. pseudotigrinum)は,大きく成長していたのだが,まだ開花していなかった。
ところで,多古光湿原にあるミズチドリは,とても背が高い。目測で,地上部の高さ100cm~120cm程度のものもあった。
実験として栽培品の苗を入手し,鉢植えで栽培してみた結果,多古光湿原で見られるような高さにはならないということを既に確認している。無論,地下部の充実度にもよるけれども,成東・東金食虫植物群落で見られるミズチドリもそれほど高くはなっていないことから推定すると,個々の個体の周囲の草の高さと関係するのではないかと考えた。
個々の個体の周囲にある他の植物の草丈が高くなると,花が ポリネータから見えなくなってしまうことから,とにかく花茎を高く伸ばし,他の草よりも高いところで開花しようとするのではなかろうか。
多古光湿原の入口にある案内板
木道
クサレダマ
(Lysimachia vulgaris var. davurica)
同上
同上
コオニユリ
(Lilium leichtlinii f. pseudotigrinum)
ミズチドリ(Platanthera hologlottis)
同上
同上
同上
ミズチドリ,クサレダマ,コオニユリ,シロネの群生
多古光湿原の奥の方の様子
周辺の湿地
オオルリハムシ(Chrysolina virgata)
同上
コガネグモ(Argiope amoena)
同上
ツバメ(Hirundo rustica)
多古光湿原を見学した後,クルマを停めておいた島地区親水公園の駐車場まで徒歩で戻り,そこからクルマで道の駅多古あじさい館(千葉県香取郡多古町多古)まで移動して昼食をとった。
イベント開催中のようで施設内は混雑していたが,川辺でのんびりと昼食。ひとやすみしてから帰宅した。
駐車場まで移動途中に見た並木城跡所在地付近
道の駅の東側を流れる栗山川
スズメ(Passer montanus)の幼鳥
同上
多古光湿原保全会
道の駅多古あじさい館
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