群馬県邑楽郡大泉町~千代田町:古海原前古墳群(その4)

過日,古海原前古墳群の所在地(群馬県邑楽郡大泉町古海~群馬県邑楽郡千代田町舞木)を再訪した。

群馬県邑楽郡大泉町教育委員会編『古海原前古墳群発掘調査概報』(1986年)の4頁にある分布図に従い,アクセス可能と判断した範囲内で古海原前古墳群の古墳を見て回った。

古海原前15号墳の所在地となっている山林の北辺付近には古海原前14号墳がある。その所在地は舗装道路のすぐそばなので,舗装道路から見学できる。
なお,古海原前古墳群の14号墳は,『群馬県古墳総覧2017年』に記載されている富士原古墳群の1号墳と同一の古墳と思われる。


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古墳所在地山林の北東隅交差点付近


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東の方から見た14号墳


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北東の方から見た14号墳


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北の方から見た14号墳


古海原前14号墳所在地の東約200mのところには古海原前8号墳があったが,現在では削平されて宅地になっている。
古海原前古墳群の8号墳は,『群馬県古墳総覧2017年』に記載されている古海地内10番古墳と同一の古墳と思われる。古海地内10番古墳は,直径30mの帆立貝式古墳とされている。平成22年に発掘調査が実施され,多数の出土物があった。その調査結果は,大泉町教育委員会編『古海地内10番古墳』(2012年)にまとめられている。


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8号墳の所在地付近


古海原前8号墳所在地の北東に隣接して古海地内11号墳があったが,現在では削平され,消滅している。正確な所在地は,現在では不明となってしまっている。移動の途中,古海11号墳の所在地と思われる場所近くにある供養塔の前を通った。この供養塔は,かつて塚の上にあったものかもしれない。その前で合掌した。


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供養塔


古海原前8号墳所在地の北に隣接して古海原前7号墳(直径20~25mの円墳)があったが,現在では削平され,消滅している。
古海原前古墳群の7号墳は,『群馬県古墳総覧2017年』に記載されている古海地内12番古墳と同一の古墳と思われる。古海地内12番古墳からは円筒埴輪が出土したとのこと。


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7号墳所在地付近


古海原前8号墳の所在地付近を見学した後,南西の方に向かって歩き,古海原前1号墳の所在地を再訪し,見学した。

古海原前1号墳所在地の北側には古海東公民館がある。この古海東公民館の敷地付近に古海原前2号墳があったようだ。既に墳丘が削平された古墳だったけれども,水道管工事の際,偶然に円筒埴輪が発見され,道路敷地のトレンチ調査によって周溝跡が発見されたとのこと。その場所は,古海東公民館の建物のすぐ西側を通る道路。


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古海東公民館

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1号墳


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同上


古海原前1号墳の南東に隣接して古海原前13号墳(直径19m以下の円墳)がある。ただし,民家敷地内の竹林の中にあるため,近くまで寄ることができない。通行可能な場所からズームで写真を撮るのにとどめた。
なお,『群馬県古墳総覧2017年』には古海原前13号墳に相当する古墳の記載がない。


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13号墳の所在地


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13号墳


以上で古海原前古墳群の見学を終え,クルマを停めておいた第一三共なかさと公園の駐車場まで徒歩で戻った。風が強く,寒い日だったのだが,よく晴れて遠くまで見通すことができ,古墳群が造営された当時の景観を想像しながら歩いた。


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古海地区の南東にある水路


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南東の方から見た古海原前古墳群所在地付近


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赤城山


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第一三共なかさと公園


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第一三共なかさと公園から見た浅間山(ズーム)



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