栃木県芳賀郡益子町芦沼~小宅:小宅古墳群再々訪(その1)
2022年12月下旬のことだが,高龗神社(栃木県芳賀郡益子町芦沼)を再訪し,参拝した。
高龗神社の境内地は,小宅古墳群(栃木県芳賀郡益子町芦沼~同町小宅)の南西端付近に位置している。
小池古墳群に関しては,古墳の分布図を含め,益子町史編さん委員会編『益子町史 第1巻 考古資料編』(昭和62年)の349~370頁に詳細な解説がある。
南西の方から見た小宅古墳群の中心部付近
高龗神社の境内地から西~南西の方に位置する低地にあった古墳は,全部隠滅している。
高龗神社の境内地から西の方に続く山の斜面にはまだ数基の古墳が残されている。
高龗神社の境内地から西の方に続く山の斜面に残されている古墳の中で,小宅28号墳は,径約21m・高さ約3mの円墳とされている。それらしいものがあったので,安全に近寄れるところまで進み,ズームで撮影した。
小宅28号墳と思われる古墳
同上
小宅28号墳所在地の更に西の斜面には小宅27号墳(径約14m・高さ約2mの円墳・墳丘西側半分は民家敷地として削平)があることになっている。
該当する場所の現況は竹藪になっていたので近くまで行かず,やはりズームで所在地付近を撮影するだけとした。
小宅27号墳所在地と思われる場所付近
小宅28号墳所在地の北東側の斜面上(境内林の西端付近)には幾つかのコブ状の地形部分がある。小宅24号墳(径約9m・高さ約0.8mの円墳),小宅25号墳(径約14m・高さ約0.8mの円墳)及び小宅26号墳(径約14m・高さ約1.5mの円墳・墳頂部に盗掘孔)のいずれかに該当するものと思われる。
これらのコブ状の地形部分の中で最も南側にあり,墳丘が比較的明瞭なものが小宅26号墳に該当するのだろうと判断した。
小宅26号墳と思われる古墳
同上
小宅24号墳と小宅25号墳の所在地付近?
高龗神社の社殿の北側に古墳と思われる塚状地形があった。小宅23号墳に該当するのだろうと判断した。小宅23号墳は,径約17m・高さ約2mで墳丘の東半分が削平されている古墳とされている。
小宅23号墳と思われる古墳
同上
龗神社の社殿から北東の方に向かって山の南東側斜面を登る小路がある。この小路を進むと途中に小規模な墓地があるのだが,そのあたりから見渡すと,林の中に塚のようがものが見える。小池22号墳に該当するのだろうと判断した。小池22号墳は,径約10m・高さ約2mの円墳とされている。
なお,気の葉や草が繁っている季節には発見困難な古墳かもしれない。
小宅22号墳~21号墳付近を通る小路
小宅22号墳の所在地付近
小宅22号墳
小規模な墓地などの前を通る小路を更に北東方向に進むと小宅21号墳の所在地に至ることができる。以前訪問した際には,反対に小宅9号墳の所在地が位置する北東側から同じ小路を南西方向に少し下って小宅21号墳の所在地付近まで到達したのだった。
小宅21号墳は,全長約22m,後円部径約12m・後円部高さ約2.2m,前方部幅約7.5m・前方部高さ約1mで前方部を西の方に向けた前方後円墳とされている。なお,後円部の墳丘南側には大きな盗掘孔がある。
これまで同じ古墳の所在地を訪問していたのだが,てっきり小宅11号墳だと思い込み,誤認していた。そこで,過去記事の該当箇所を訂正することにした。
なお,小宅10号墳付近から高龗神社の境内地の方(南西方向)に降りる小路は,小宅21号墳の所在地付近で分岐している。この分岐点から西の方に進むと,小宅古墳群の所在地となっている山の北西側山裾付近まで降りるようになっている。
北の方から見た小宅21号墳
(左が後円部・右が前方部)
東の方から見た小宅21号墳の後円部
南の方から見た小宅21号墳の後円部
南の方から見た小宅21号墳のくびれ部~前方部
以上の小宅27号墳~小宅21号墳までは,茨城県指定文化財(史跡)としての小宅古墳群の範囲外(10号墳所在地の南西)に位置している。
この日は,亀岡八幡宮も訪問し,参拝した。小宅古墳群を訪問するときは,原則として参拝することにしている。
亀岡八幡宮の拝殿前の鳥居
亀岡八幡宮の拝殿前の石段
亀岡八幡宮の拝殿
奉納された玄武亀
亀岡八幡宮の境内地から古墳群所在地への入口付近
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