館林市高根町:龍興寺

過日,曹洞宗・妙高山龍興寺(群馬県館林市高根町)を参拝した。

龍興寺の縁起等の詳細は不詳。

龍興寺には後北条氏と関係する書簡等があり,館林市指定の文化財となっている。これらの文化財が存在することから,龍興寺は,後北条氏と関係が深い寺院とされているようだ。

龍興寺の梵鐘には「南無釈迦牟尼佛」,「南無阿弥陀佛」,「為先祖代々菩提」のほか,「開創七百年記念」として梵鐘が鋳造された経緯が記されている。それによると,龍興寺の梵鐘は,戦時中に軍のために供出させられて失われていたため,開創700年記念行事として新たにつくられたものとのこと。
第二次世界大戦の終戦後の時点から700年前に開創だとすれば,龍興寺は,室町時代の初期に創建された古い寺院ということになる。

龍興寺の境内には原田種政の墓所があるとのことなのだが,確認できなかった。
境内には大きな石塔(五輪塔)があり,その石塔が原田種政の墓所に該当するのかもしれないと思ったのだが,よくわからなかった。この石塔は,それ自体としては,比較的新しい時代につくられたもののように見える。

一般に,原田氏の一族の菩提寺となっている寺院には「龍」との名がつく寺院が多い。
例えば,曹洞宗・太祖山金龍寺(福岡県糸島市高祖)には,原田家累代の墓所がある。また,曹洞宗・万歳山龍国寺(福岡県糸島市二丈波呂)には,原田種直の墓所がある。龍国寺には邪馬台国研究で広く知られる原田大六氏の墓所もある。

原田氏は,渡来人秦氏の一族・東漢忌寸の流れをくむ大蔵氏の直系の子孫なので,古墳時代以前から戦国時代まで非常に長く続いた渡来系の家系だと言える。
東漢忌寸を祀る於美阿志神社は奈良県高市郡明日香村に鎮座しているので,古代における朝廷の中枢部がどのような人々によって組成されていたのかを知ることができる。


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山門


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本堂


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本堂屋根の破風部


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文化財の説明板


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慈母観音像


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金剛力士像(左側)


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金剛力士像(右側)


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鐘楼


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鐘楼の彫刻(一部)


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梵鐘


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石塔
(原田種政の墓所?)


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石塔


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六地蔵


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青面金剛明王


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古い供養塔


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十九夜供養塔


龍興寺の裏手の方に弁財天がある。


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弁財天


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弁財天堂



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