館林市高根町:大山祇神社
過日,大山祇神社(群馬県館林市高根町)を参拝した。祭神は,大山祇命。
由緒書によれば,大山祇神社は正徳4年(1714年)に大谷休泊が成島に建立した山神社から分社し山神社として創建したのがはじまりの神社とのこと。明治時代に他の神社を合祀し,大山祇神社と改称し,今日に至っている。鳥居の額には「山神宮」と記されている。
本殿は,大きな蔽殿の中にある。
境内の管理・清掃をしている方とたまたま出遭った。神社境内地の現況を見ると切株が多いので,その原因について質問し,説明を受けた。
その説明によると,境内には立派な桜の木が複数生えており,春には桜の名所として知られていたけれども,クビアカツヤカミキリ(Aromia bungii)の害を受けてダメになってしまったので,やむを得ず伐採したとのこと。近隣の寺社にある桜の木は根こそぎやられているらしい。
さぞかし立派な樹木だったのだろうと思われる切株を見ながら,このカミキリムシによる被害発生を防止するための効果的な対策の確立が急務だと思った。
鳥居
拝殿
本殿
由緒書
合祀記念碑
境内社(八坂神社)
境内社
湯殿山・月山・羽黒山碑
境内林
切株
境内地南側にある土塁様の部分
一般に,文化財としての寺社は,その境内にある樹木等と一緒の景観を形成するものとして存在している。
この場面において,文化財保護と景観保護と自然環境保護というそれぞれ独立した別の要素が競合的に関係してくることになる。そして,自然環境保護は,国内絶滅危惧種の保護と外来生物の駆除という異なるタイプの問題を含んでおり,しかも,農業や林業等との接点が多数存在する。
あくまでも一般論としては,当該国における主要な草木を意図的に食害させて社会上・経済上・政治上のダメージを与えるという生物化学兵器攻撃の一態様として,特定の生物種を密かに持ち込み,増殖した上でばらまくというテロ攻撃があり得る。
この局面では,平時の法令だけではなく戦時の法令も適用されるため,極めて高度な総合的判断能力が求められることになる。
それゆえ,常に,全ての知識を結合して思考・判断すること,そのような思考・判断を十分に行えるようにするために全分野の知識・教養を豊富に蓄積し続けるという不断の努力を継続すること,そして,既存の理論や定義や固定観念が正しいのかどうかを常に評価・検証し,その見直しを実施し続けることが強く求められる。
そうしなければ,ほぼ即座にフランシス・ベーコンのいうイドラに陥ることになる。
一般に,学校の教科書に書いてある事柄を覚えるだけで満足している状態のことを「思考停止」という。
侵入生物データベース:クビアカツヤカミキリ
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