アルブカ・フミリスの蕾
自宅で室内栽培しているアルブカ・フミリス(Albuca humilis)の花茎が伸び,蕾をつけるところまできた。
現在,球根の直径は約3cm,花茎の高さは約30cm,葉の長さは約15~20cmとなっている。
花茎の付け根には更に次の花茎が準備されている。
この花茎は予備(自然界における保険)のようなものであり,もし最初の花茎についた花が受粉に成功すれば植物体の栄養を果実形成に集中するために萎んでしまうものなのだろうと思う。
実際にはポリネータの乏しい場所で生きている植物なので,球根の増殖による栄養繁殖が主な勢力拡張手段になっていると推定される。しかし,一般に,栄養繁殖だけではいずれ全滅になってしまうし,また,同一の場所で棲息し続けていると連作障害のような状況が発生し得る。
ポリネータが乏しくても,受粉による結実によって種を維持する可能性にトライし続けることが重要なのだろう。
南アフリカの高山の湿った岩上に生える植物なのだそうで,自生地においては高山植物の一種だと言える。自生地の様子を撮影した写真を見ると花茎を伸ばしている高く個体がないので,自生地においては比較的短期間にさっさと開花・結実してしまう植物ということなのではないかと思う。
自生地における平均気温に関する信頼性の高いデータが乏しいので栽培の参考にはできないが,南半球では夏と冬が北半球とは逆転していることだけは明らか。
それゆえ,日本国の夏の間(自生地における乾期)は冷涼で乾燥した場所で球根を休眠させるのが栽培上の最大のポイントなのではないかと思う。
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