名取市高舘:熊野那智神社など
過日,熊野那智神社(宮城県名取市高舘吉田舘山)を参拝した。祭神は,羽黒飛龍神・伊弉冉尊。黄泉事解男命・国常立尊・伊弉諾尊・天照皇大神を配祀している。
名取市史編纂委員会編『名取市史』(昭和52年)の849~850頁によれば,熊野那智神社は,養老3年(719年)に創始の古い神社(権現社)だったが,その後,保安4年(1123年)に紀州熊野三山の中の那智の分霊を合祀し,呼称を熊野那智神社と改めて今日に至っているとのこと。
明治31年の社殿改築の際,熊野那智神社の社殿下から和鏡(銅鏡)と懸仏が大量に発見され,国及び県指定の文化財となっている。これらの和鏡と懸仏は,鎌倉時代~室町時代のものと推定されている。
また,原田甲斐が奉納したと伝わる手槍が宝物として保管されている。
熊野那智神社を参拝した後に周辺の遺跡を見学することを予定していたので,高舘山自然レクリエーション施設(宮城県名取市高舘熊野堂)の駐車場にクルマを停め,そこから先は徒歩で往復。熊野那智神社の参拝だけなら,神社の参拝者用駐車場を利用できる。
観光開発や地元振興のためには,このような公共施設を設置・管理・維持することが必須だと思われる。交通手段としての自動車の便を考えない観光開発や地元振興は,あり得ない。
多様な需要を配慮した適切な情報提供が行われており,清掃も行き届いていて,良い施設だと思った。
熊野那智神社まで続く舗装道路をのんびりと登り,高舘観音堂の前を通って熊野那智神社の境内地に至った。
高舘山自然レクリエーション施設
高舘観音堂
熊野那智神社の境内地近くから見た高舘観音堂
熊野那智神社境内地入口付近
熊野那智神社の門を通り,境内地に入ると「山一」と呼ばれる大きな杉の木がある。そのまま境内地を進んで社殿に至り,参拝した。
境内地からは名取市~太平洋を遠くまで見渡すことができる。この地域の支配者達は,古代からずっとそのようにして同じような景色を見てきたのだろう。
ただし,歴史時代以降に限定しても2度の極端な大規模自然災害があった。古代に発生した大規模自然災害に関しては,柳澤和明「869年貞観地震・津波発生時における陸奥国府多賀城周辺の古環境」歴史地震34号127~146頁(2019年)が参考になる。
熊野那智神社の門
杉の巨木「山一」
拝殿
本殿
社殿側面
左側の狛犬
右側の狛犬
高舘連理の杉
境内社(八咫烏社)
境内社
境内社近影(山大権現など)
境内社近影(高舘神社・愛宕神社・秋葉神社など)
経王石字塔など
鐘楼
社務所
境内地の様子
境内地から見える景色
境内地から見える景色
熊野那智神社
名取市:熊野那智神社懸仏・銅鏡
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