大田原市片田:温泉神社と古墳
2022年11月初旬のことだが,温泉神社(栃木県大田原市片田)を参拝した。
温泉神社は,ポッポ農園の管理棟・農産物直売所(ミニSLの駅がある場所)の南東約200mのところに鎮座している。
鳥居は南東側にあるので,ポッポ農園の方からミニSLの線路踏切を超えて道なりに進み,温泉神社にアプローチすると本殿背後から境内地に入ることになる。
参拝したのは,ポッポ農園の南東約200mのところに鎮座している温泉神社。由緒等の詳細は不明だが,とても立派な神社だ。
ところで,このあたり一帯には温泉神社が複数存在する。片田地区内にも複数の温泉神社が存在するので,「片田の温泉神社」という表記では識別・同定できない。
そこで,今回参拝した温泉神社を指す場合,「片田浄水場東の温泉神社」と表記することにする。
片田浄水場東の温泉神社の本殿は,比較的大きな円墳の主体部付近を掘削して構築されている。
この円墳は,温泉神社古墳(栃木県遺跡番号・1295)と呼ばれている。ただし,この古墳に関する詳細な資料等は存在しないようだ。
片田浄水場東の温泉神社の境内地東側には長く伸びた土塁がある。
更に境内地の南東隅付近(長い土塁のような構築物の南端付近)には円墳の上部を削平したような地形部分があり,その上に更に小さな塚があって,その上に氏神と思われる石祠が祀られている。
この場所も古墳所在地なのではないかと思ったけれども,現時点では遺跡(古墳)として扱われていないようだ。
片田浄水場東の温泉神社の境内地全体として見ると,北端の古墳を物見台に二次利用し,土塁を人工的に構築した館または砦のような構造物で,後に神社境内地として転用されたのではないかと思われる。
黒羽町誌編さん専門委員編『黒羽町誌』の「那珂川河岸の古墳」の項の中では,「湯殿の古墳」の写真が掲載され,かつ,「銭室塚古墳と大塚」の項の本文の中で「片田の熊野神社・温泉神社などの社殿が古墳の上部を削平したところに建てられている」と紹介されている。
この「湯殿の古墳」の写真は,温泉神社古墳(栃木県遺跡番号・1295)の写真ではなく,熊野神社古墳(栃木県遺跡番号・1296)の写真。
2023年1月10日に現地を訪問し,確認した。
2023年1月10日に片田浄水場東の温泉神社も再訪して参拝し,追加的に写真を撮った。
このブログ記事では2022年11月初旬訪問時と2023年1月10日再訪時の写真を適宜混ぜて掲載することにした。
熊野神社古墳に関しては,別にブログ記事を書くことにする。
ポッポ農園の管理棟・農産物直売所
ポッポ農園案内図
水質保護活動の掲示
ポッポ農園の西を南北に流れる那珂川
(川向うの段丘上は侍塚古墳群の所在地)
ミニSLの駅
ミニSLの踏切
(写真中央奥右手の森のあるところが温泉神社鎮座地)
西の方から見た温泉神社の境内地
(手前の施設は片田浄水場)
北西の方から見た温泉神社の境内地
(社殿手前の塚状のものが温泉神社古墳の残存墳丘)
北西の方から見た境内地
拝殿前から見た鳥居
鳥居の南側にある参道と土塁または虎口のように見える地形部分
鳥居脇にある十九夜供養塔
鳥居脇にある馬頭観世音
正面から見た鳥居
南西の方から見た境内地
温泉神社の拝殿
温泉神社の本殿
(本殿背後は温泉神社古墳の残存墳丘)
本殿側面
(残存墳丘が取り囲んでいる)
残存墳丘上部の様子
土塁様の部分上部
土塁様の部分外側(東側)
土塁様の部分の南東端にある円墳様の部分
北西の方から見た残存墳丘
(奥に見えるのは温泉神社の本殿)
残存墳丘北西側部分
残存墳丘上にある境内社
境内社
境内社
東の方から見た鎮座地全景
南東の方から見た鎮座地全景
那珂川と湯殿大橋
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