栃木県芳賀郡市貝町市塙:桜本塚古墳
過日,桜本塚古墳(栃木県芳賀郡市貝町市塙)を見学した。
市貝町史編さん委員会編『市貝町史 第1巻 自然・原始古代・中世資料編』(平成2年)の409~410頁によれば,桜本塚古墳は,現況では一辺11~12m・高さ1.6mの方形になっているが,原形はもっと大きな規模の円墳だったと考えられている古墳であり,明治12年に横穴式石室が発掘され,金環,曲玉,管玉などが出土したとのこと。出土品の所在は,現在ではわからなくなっているようだ。
横穴式石室の石室は,1枚板の石材だけを使用しており,非常に珍しいもので,墳丘南側に羨道部の石積みが残されているらしいのだが,その場所は民家敷地内で,墳丘と公道との間には畑があるため,公道から見える範囲内で,現況の墳丘だけ見学した。
桜本塚古墳所在地の北側には八幡宮が鎮座していることになっているのだが,八幡宮の鳥居と思われる鳥居が畑の中の小島のような小さな森の手前に見えたので,たぶん氏神のようなものだろうと判断し,これまた公道から鳥居を拝見するだけでおしまいとした。
桜本塚古墳(ズーム)
八幡宮の鎮座地?
桜本塚古墳の近くの路傍に立てられている勝善観世音菩薩
近隣の景色
かつて,桜本塚古墳所在地の比較的近くに,星川古墳と呼ばれる古墳があったけれども,現在では隠滅している。
星川古墳の所在地だった場所には赴かなかったけれども,その北西側には小さな踏切りがあり,元は古墳だった地形の一部を利用して現在の道路が構築されたのではないかというような印象を受けた。現時点では,遺跡としては扱われておらず,たぶん,全部現代の人工物として扱われている。
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