高崎市吉井町池:多胡碑とその周辺(その2)
過日,多胡碑と正倉跡遺跡を見学した後,高崎市吉井町の池地区にある古墳を見学した。
正倉跡遺跡所在地付近から南下する道を歩き,上信電鉄の踏切を渡り,少し南下してから東の方に向かって進んだ。
途中で吉井町155号墳と呼ばれる古墳と吉井町154号墳と呼ばれる古墳の所在地付近を通ったけれども,いずれも湮滅したという扱いになっている。無論,墳丘らしきものは何もなかった。
そのあたりから更に南下した上で,吉井町池と吉井町矢田との境界付近で北東の方に向かって歩き,矢田川を渡って北東側の段丘に至った。
その段丘付近は,吉井町108号墳~吉井町153号墳の所在地となっている。
残存墳丘が集中している場所は,基本的に農地なのだが,市営柏田住宅所在地の少し北のところから南東に方に入る農道のような道があるので,その道を進み,道から見える範囲内で古墳を見学した。
その農道の入口付近には,吉井町127号墳と思われる塚状地形の残存物のようなものがある。ただし,吉井町127号墳は,『群馬県古墳総覧2017』では湮滅扱いになっているので,湮滅しているとすれば単なる土塊ということになる。
踏切近くから見た浅間山
矢田川の流れ
古墳が集中している場所に入る農道の入口付近
(正面は吉井町127号墳)
吉井町138号墳の所在地付近には礫を積み上げたような塚状地形がある。ただし,『群馬県古墳総覧2017』では,吉井町138号墳は既に湮滅の扱いとなっているので,湮滅しているとすれば,古墳由来の石材や榛名山の火山礫等を集めて積み上げた塚だろうと考えられる。
この礫を積み上げたような塚のすぐ北西側にも小さな塚状のものがあるけれども,古墳としては扱われていない。強いて言えば,吉井町152号墳(二子塚古墳・全長約36mの前方後円墳)の後円部の残骸ということはあり得るのではないかと思った。
吉井町138号墳とされている塚状地形
同上
上記の礫を積み上げた塚のすぐ北西にある塚のようなもの
同上
これら2つの塚状地形部分の西側に隣接して,礫を積み重ねた塚のようなものが2つある。その西側には立派な古墳のように見える比較的大きな塚がある。
そのあたりは,吉井町135号墳,136号墳,139号墳,146号墳,148号墳,150号墳の所在地となっている。ただし,『群馬県古墳総覧2017』ではこれらの古墳全てが既に湮滅していることになっているので,全て湮滅しているとすれば,古墳削平後に古墳由来の石材や榛名山の火山礫等を積み上げた塚ということになりそうだ。
同上
礫を積み上げた比較的小さな塚状のもの(B)
同上
礫を積み重ねた比較的大きな塚状のもの(C)
同上
大きな塚状のもの(C)の近景
大きな塚状のもの(C)の近景
吉井町147号墳所在地付近にはやや大きな塚状地形が存在する。ただし,『群馬県古墳総覧2017』では,吉井町147号墳は既に湮滅の扱いとなっているので,湮滅しているとすれば,古墳由来の石材や榛名山の火山礫等を集めて積み上げた塚だろうと考えられる。
吉井町147号墳所在地付近にある塚状地形
同上
これらの塚状地形の少し北側には2基の古墳のようなものがある。Y162号墳(直径16.7m×8.4mの円墳)及びY163号墳(直径9.6m×3.7mの円墳)に該当するのではないかと考えられるが,明確ではない。
なお,Y163号墳に該当するかもしれないと判断した塚状のものは,古墳ではなく,古墳由来の石材や榛名山の火山礫等を集めて積み上げた塚に過ぎないかもしれない。
Y162号墳?
同上
Y163号墳?
同上
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