名取市愛島笠島:賽ノ窪古墳群とその周辺(その5)
過日,賽ノ窪古墳群(宮城県名取市愛島笠島)を見学した。
賽ノ窪古墳群は,名取市の愛島丘陵付近に分布する30基の古墳で構成される大規模な古墳群。
賽ノ窪古墳群の分布範囲が比較的広いので,ちょっとしんどかったけれども,全て徒歩で廻り,アクセス可能な現存古墳を観察し,神社を参拝し,また,近隣の遺跡を見学した。併せて,可能な範囲内で植生調査も実施した。
賽ノ窪13号墳の所在地付近を見学した後,宮城県道39号仙台岩沼線を南下して賽ノ窪30号墳を見学し,賽ノ窪29号墳の所在地付近を通り,北上しながら賽ノ窪8号墳~賽ノ窪1号墳を見学した。
賽ノ窪30号墳は,賽ノ窪29号墳と共に,賽ノ窪古墳群の最南端付近にある。賽ノ窪30号墳は同一の尾状尾根の西側裾にあり,賽ノ窪29号墳はその尾状尾根上の南端付近にある。
賽ノ窪30号墳の墳丘は,耕地の中にあるので近くまで寄ることができないのだが,公道から見学可能。
東の方から見た賽ノ窪30号墳
(写真左上の竹林内が賽ノ窪9号墳~11号墳の所在地)
東の方から見た賽ノ窪30号墳(ズーム)
賽ノ窪30号墳の墳頂に祀られている石祠
南東の方から見た賽ノ窪30号墳
賽ノ窪29号墳も畑の奥にあり,近くまで寄ることができない。公道から見える範囲内で見学した。
比較的大きな円墳として残存しており,墳丘上には供養塔が立てられているほか,古墳由来と思われる複数の石材が置かれている。
東の方から見た賽ノ窪29号墳の所在地付近
東の方から見た賽ノ窪29号墳(ズーム)
北東の方から見た賽ノ窪29号墳(ズーム)
賽ノ窪29号墳所在地近くの路傍にある馬頭観世音
賽ノ窪29号墳の北西側の尾根上には賽ノ窪11号墳、10号墳及び9号墳が並んでいるはずなのだが,賽ノ窪11号墳,10号墳及び9号墳の所在地付近は濃密な竹林となっており,しかも,その竹林内を通行可能な道がないので,遠くからその竹林を眺めるだけでおしまいにした。
南西の方から見た賽ノ窪9号墳~11号墳の所在地付近
東の方から見た賽ノ窪11号墳の所在地付近
北東の方から見た賽ノ窪9号墳~11号墳所在地付近
賽ノ窪1号墳~8号墳の所在地は,賽ノ窪9号墳~11号墳と29号墳の所在地となっている尾根から見て,谷津を挟んだ北東側の別の尾根上となっている。この尾根の南東端付近には,かつて賽ノ窪23号墳が存在したが,現在では湮滅している。
賽ノ窪9号墳~11号墳所在地となっている尾根の東側裾付近から賽ノ窪1号墳~8号墳所在地となっている尾根に移動するため谷津を横断する農道を歩いていた。その農道の脇に大きな石が祀られていた。もしかすると,このあたりにも古墳があったのかもしれないと思った。
大きな石が祀られている場所から先(北東側)は登り坂となり,途中で馬頭観世音が祀られている場所を通る。
この馬頭観世音が祀られている場所の南東側の方にちょっと下ったあたりに賽ノ窪23号墳があったようだ。
賽ノ窪23号墳所在地付近の現況は,掘削等によって地形がかなり変形しており,まるで室町時代~戦国時代の砦の一部か何かのように見えるけれども,これは,現代の造作らしい。
上り坂
上り坂の途中から見える景色
尾根付近
馬頭観世音
土塁状の残地
賽ノ窪23号墳の所在地付近
馬頭観世音が祀られている場所から更に登る道
南東の方から見た尾根道
(奥の竹林は賽ノ窪8号墳~6号墳の所在地)
賽ノ窪8号墳,賽ノ窪7号墳及び賽ノ窪6号墳は,尾根上のやや南東側にある竹林の中に並んでいる。立入可能となっているのだろうと判断し,墳丘を見学した。
なお,立入禁止となっている場所には柵などが施されており,立入禁止場所であることが明確に示されている。
竹林の南端付近にある石材
西の方から見た賽ノ窪8号墳
南東の方から見た賽ノ窪7号墳
南の方から見た賽ノ窪7号墳
賽ノ窪7号墳の墳丘上にある石
西の方から見た賽ノ窪7号墳
南東の方から見た賽ノ窪6号墳
賽ノ窪6号墳の墳頂付近
西の方から見た賽ノ窪6号墳
竹林の中を通る道
(北西の方から見た様子)
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