千葉県山武郡芝山町小池:谷津古墳群(その1)
過日,谷津古墳群(千葉県山武郡芝山町小池)を見学した。
谷津古墳群の所在地は,農業者トレーニングセンターと千葉県芝山町総合運動場の周辺となっており,これらの施設には駐車場がある。その駐車場にクルマを停めて見学しようと思い,現地まで行ってみたところ,駐車場が全て封鎖されていた。
やむを得ず,芝山古墳・はにわ博物館(千葉県山武郡芝山町芝山)まで移動してそこにクルマを停め,そこから先は徒歩で往復して谷津古墳群を見学した。
北の方に向かって歩き,氏神様と青面金剛明王の前で合掌し,そこから台地を1つ横断し,北西の方に歩きながら,やっと現地に到達。古墳群を見学した。
谷津古墳群は,1基の前方後円墳,1基の方墳,4基の円墳の合計6基の古墳で構成される古墳群とされている。
谷津古墳群に関しては,芝山町教育委員会編『芝山町史 資料集1 原始・古代編 第2分冊』(平成4年)の477~478頁に解説がある。
ただし,1号墳と2号墳の解説があるのみで,他の古墳に関しては解説が全くない。記載を失念したものと思われる。
その結果,1号墳と2号墳以外の古墳の付番がわからない状態になっている。情報学の観点からすると,致命的な欠陥だと言える。
なお,平岡和夫『千葉県九十九里地域の古墳研究』(平成元年)の99頁では,1号墳が「3号墳」,A号墳が「塚」,A号墳の近くにある方墳が「2号墳」となっている。芝山町教育委員会の見解と一致しない。
他方,千葉県文化財保護協会編『千葉県所在古墳詳細分布調査報告書』(平成2年3月)の130頁では,谷津古墳群の構成を「前方後円墳1基,方墳2基,円墳2基」とし,前方後円墳を「3号墳」とし,同報告書の図20ではA号墳を方墳として表示している。
この記載も芝山町教育委員会の見解と一致しない。
このブログ記事では,とりあえず『芝山町史』の付番に従うことにした。
芝山古墳・はにわ博物館
青面金剛明王と氏神様
段丘を横断する山道の峠付近
谷津古墳群所在地の南東側の低地
南東の方から見た谷津古墳群のある段丘
太陽光パネル群の脇を通る道
千葉県芝山町総合運動場のある段丘に登る坂道の入口付近
『芝山町史 資料集1 原始・古代編 第2分冊』の477頁によれば,谷津古墳群の1号墳は,全長30.00m,高さ1.80mで,前方部を西の方に向けた前方後円墳とされている。ただし,同頁の1号墳の記載の備考欄には「墳丘裾部が削平されている」と記されている。
現地で実見すると,墳丘らしきものが全くない。1号墳は,既に湮滅したものと思われる。
南の方から見た1号墳所在地付近
北の方から見た1号墳所在地付近
1号墳所在地付近
1号墳の後円部が存在した可能性が高い場所
『芝山町史 資料集1 原始・古代編 第2分冊』の478頁の図によれば,1号墳の南西側に隣接して直径10m前後の円墳が存在することになっている。
その場所には確かに円墳のようなものがあった。このブログ記事では,仮にA号墳と呼ぶことにする。
北西の方から見たA号墳
北の方から見たA号墳
南の方から見たA号墳
A号墳の道路をはさんだ西側には方墳があることになっている。確かにあったのだが,不法投棄のゴミがかなりひどい状態となっており,墳丘に近づくことは断念した。走行する車両の窓から投げ捨てられたゴミが蓄積して現在のような状態になったものと推測される。
藪がひどいため写真撮影も断念した。
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