熊谷市玉井:玉井寺

過日,真言宗智山派・瑠璃光山玉井寺(埼玉県熊谷市玉井)を参拝した。本尊は,阿弥陀如来。
幡羅郡新四国八十八箇所霊場第六十二番札所となっている。

玉井寺の境内地の近くには玉井四郎(成田四郎助實)の館があったと言われ,また,境内には玉井四郎の墓石がある。そして,境内地に玉井を保護するための御堂があった。
玉井寺が成田氏と深い関係のある寺院であることについて異論はない。
玉井に関しては,(かつては神仏習合が当たり前だったので)玉井大神社の由緒と関連させて理解する必要があり,灌漑用の泉(井)ではなく,修験道と関連する眼病治療の清い水を得るための泉(井)として尊重されてきたと理解したほうが良さそうだ。

玉井寺の境内地には,他に「十王供養塔」があり,熊谷市の文化財に指定されている。ただし,うっかり見落としてしまった。




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山門


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本堂


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本堂屋根破風部


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石塔など


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「古来墳墓地以後托山林」銘のある地蔵尊
(「古来墳墓地」とは古墳群所在地との趣旨か?)


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六地蔵と地蔵尊


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二十二夜待供養塔?


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成田四郎の墓所


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成田四郎の墓所の説明板


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玉の井


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鐘楼


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弘法大師一千二百年慶讃碑


玉井寺のすぐ近くに玉井四郎が勧請したとされる春日神社がある。


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春日神社の鳥居


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春日神社拝殿正面


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玉井寺前の道


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玉井密寺標石


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地蔵尊


古代において,現在の埼玉県の低地は全部内海(古代東京湾)だった。この内海は,外海とつながっている海なので塩水または汽水となっていたはずだ。

それゆえ,陸地になっている場所であっても,真水を得ることのできる泉(井)なしには,人々が生きることは不可能。治水の能力をもつ者だけがこの地の支配者となり得たと考えられる。

それゆえ,熊谷市の古い神社や寺院の中には泉(井)と関係のあるものが少なくない。



 玉井寺

 熊谷市立江南文化財センター:十王供養塔



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