小諸市加増:加増稲荷神社と古墳

過日,加増稲荷神社(長野県小諸市加増)を参拝し,その境内地にある唐松古墳群の1号墳と2号墳を見学した。
加増稲荷神社の祭神は,宇気母智神。
由緒書によれば,元は小諸城内にあった社殿を現在の場所に移したものとのこと。
社殿所在地は,元は「大塚」と呼ばれていたようだ。
社殿移設の際に大規模に掘削されてしまったらしく,現在では「大塚」の形状や大きさを測定することさえもできなくなってしまっている。この「大塚」が加増1号墳に該当する。
ただし,この場所が古墳であることを証明するものは,社殿脇にある加須古墳群第一号墳」の標柱だけと言っても過言ではないような状態となってしまっている。滅失寸前の古墳を見慣れた人であれば,元の墳丘をある程度まで推察できるかもしれない。
ざっとみた感じとしては,本殿基壇部付近だけが墳丘所在地なのではなく,全体としては直径15~20m程度の大きな円墳の墳丘の大部分をごっそりと削って現在の境内地を形成しているのではないかというような印象を受けた。


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鳥居


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参道の鳥居


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参道の鳥居(続き)


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拝殿前の鳥居と拝殿


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本殿側面


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本殿背後地と唐松1号墳の標柱


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反対側から見た本殿背後地と境内社


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境内社


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由緒書


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手水


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古い手水


唐松2号墳は,加増稲荷神社の境内地の南東側隅付近にある。
唐松2号墳は,普通の築山のように見えてしまうけれども,直径10.3m・高さ2mの円墳とされている。ただし,境内地整備のために墳丘のかなりの部分が埋められているようなので,真の墳丘の規模はずっと大きなものなのだろうと思う。この点に関しては,小諸市史編纂委員会編『小諸市史 考古篇』(昭和49年)の98~100頁に解説がある。
唐松2号墳の墳丘の南東側に石室が開口している。現存石室として開口している部分は玄室に相当する部分とのことなので,かつて羨道もあったとすれば,かなり大規模な古墳だったということになりそうだ。
現在,唐松2号墳は金属製のフェンスで囲まれている。金網の隙間から石室内を撮影した。


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北西の方から見た唐松2号墳


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東の方から見た唐松2号墳


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唐松2号墳の石室開口部付近


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唐松2号墳の石室開口部


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唐松2号墳の石室内部の様子



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